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冤罪・布川事件の再審請求をたたかう桜井昌司さん

 20日、国民救援会郡山支部は、冤罪「布川事件」で逮捕され29年間獄中に捕らえられ、無実を求めて再審請求を勝ち取った桜井昌司さんを講師に招いてお話を伺いました。

kap080120-fukawa.jpg                       【現場の状況を説明する桜井さん】


 布川事件は、1967年8月30日、茨城県利根町布川の自宅で1人ぐらしの大工さんが殺害された事件です。この大工さんが金貸し業もやっていたという噂があり、警察は強盗殺人事件として2人の青年を逮捕。その一人が桜井さんでした。

 桜井さんから、自白を強要された警察の取調べのようすなどリアルな話を聞いて、背筋がぞっとしました。何しろ、警察から犯人だと決めつけられれば、そのシナリオに沿って巧みに自白へ追い込まれていくからです。

 桜井さんは、物的証拠がないにもかかわらず、「自白」だけで29年間も獄中で無期懲役が言い渡されました。今は仮出獄し、無実を求めて再審請求し、地裁で再審開始が決定。しかし、検察が高裁へ公訴したため、今も争っています。

 桜井さんは、めっぽう明るく前向きな人でしたが、両親のことにふれると涙がこみあげる情の人。そのせつない思いを詩にしたため、歌までつくるシンガーソングライターでもあります。

 この日も獄中から家族・親への思いをこめてつくった「帰ろう」という歌を、コブシのきいたよく通る声1曲披露していただいたのですが、とても涙なしには聞けませんでした。

 ところで、桜井さんがこの長い年月をあきらめずにたたかってこれたのは、冤罪事件などを支援している国民救援会の存在が大きかったとのこと。

 国民救援会は、1928年に創立され、戦前、侵略戦争反対を唱えて治安維持法で逮捕された人や家族を救援したのが始まりです。

 今も冤罪事件をはじめ、政治弾圧、言論表現の自由を守るたたかいなど、憲法に保障された基本的人権を守り発展させる運動を各地で行っています。

 最近、富山での冤罪事件などがクローズアップされ、政府も取調べの可視化など一定の法改正が迫られていますが、政府や警察の体質が変わらない限り、こうした冤罪や弾圧事件はなくならないと思います。

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