こおりやま文学の森:企画展「松本清張と松川事件」 郡山市文化センター:「松本清張展」
今年は松本清張生誕100年。郡山市文学資料館「こおりやま文学の森」では、松本清張生誕100年を記念して、6/13(土)~7/26(日)まで企画展「松本清張と松川事件」を開催中です。
また、同資料館主催で、6/20(土)~7/20(月)まで郡山市民文化センター展示室で「松本清張展」も開催されます。
きょうの夕方、私もこおりやま文学の森へ行き「松本清張と松川事件」の企画展をみてきました。受付の方に会場前で写真を撮ってもらって展示品を見ていたら、村上館長さんが挨拶に見えました。
村上館長さんは、「地元福島県で起こった松川事件に松本清張がかかわっていたことを知らない方が多いと思います。
松川事件が事件発生60周年を迎えていることや、まもなく裁判員制度も始りますが、今“えん罪”のことが問題にもなっているときでもあります。この企画展をたくさんの方にみていただきたい」と話されました。
会場には、福島大学松川資料室の資料などが展示され、松本清張が松川事件の裁判無実判決を勝ち取った時に寄せた文章とその原稿なども展示されています。
松川事件とは、1949(S24)年8月17日午前3時過ぎ、松川駅北にある石合踏切付近のカーブに差し掛かった上り列車が、突然脱線し転覆した事件です。松川事件は、下山・三鷹事件に続く謀略事件といわれ、アメリカの占領化の下で、国鉄労働者などの大量首切りが行なわれる中で起きました。
国鉄労働組合と東芝労同組合の組合幹部ら20人が逮捕され、マスコミを使って「共産党員のしわざ」などと大々的に反共宣伝されましたが、作家の広津和郎や松本清張らも支援するなど日本各地で被告を支援するたたかいの輪が広がり、14年後の1963(S38)年、ついに“全員無罪”の判決を勝ち取ったのです。
先週、足利事件が“えん罪”だったことが判明したばかり。無実の罪で17年間も拘留されていたのです。いまだに警察の体質が変わっていないことに愕然とする思いです。松川記念会は、政治の右傾化が進む中で、今回の企画展で松川事件と松本清張とかかわりを取り上げた意義は大きいと高く評価しています。
ぜひ、みなさんも足を運んでみて下さい。「こおりやま文学の森」資料館へのお問い合わせは、TEL 024-991-7610です。
なお、松川事件発生60周年記念集会は、今年10/17~18、いずれも福島大学キャンパスで行なわれます。18日には、現地調査も予定されています。(TEL024-523-4183 NPO:福島県松川運動記念会)