斎藤貴男さんの教育講演と 高校一学区制シンポジウム
8日、「県立高校普通科の全県一学区制に反対する福島県連絡会」主催で、教育講演会&シンポジウムが開かれました。
今年5月30日、県教育審議会は「全県一学区制を了とする」答申を提出。しかしこの間、会津の高校生母親殺人事件が発生したことなどから、議会内でも自民党などからも反対や疑問の声が上がっています。
フりージャーナリストの斎藤貴男さんは、新自由主義による「構造改革」路線は弱いものを切りすてる政策。これを教育分野に持ち込めば、「選択の自由」の名のもとに新たな「競争」が持ち込まれる。貧富の差により、決してスタートラインは同じでないと指摘。明快で痛快な講演でした。
一学区制についてのシンポジウムは、審議会委員長の小澤福大副学長と県教委から杉県立高校グループ参事も出席。他に、県教組委員長や中学校教師も。会場からは、審議会委員長や県教委の発言に質問や疑問の声があいつぎました。
小澤審議会委員長は、「子どもの選択の自由度が広がる」と強調しましたが、すでに今の中学区制のもとで、都市部の進学校への集中と周辺校の生徒減少、偏差値によって高校が輪切りにされ、選択の自由は限られた範囲内しかなく、家庭の経済力にも左右されるではありませんか。
下宿や遠距離通学もお金がかかります。身体的、肉体的負担も大きい。こういう現実をわかっていないとしか思えません。
すでに、現行の中学区制もとでもこうした問題があるのに、一学区制になればいっそう拡大するのは必至です。