『九条の旗がぼろぼろにされようと、この旗は離さない』 県内99番目の「九条の会結成のつどい」で品川正治さん
19日、福島市で県立学校退職教職員九条の会結成のつどいが開かれました。私は、この記念講演に参加。講師は、経済同友会終身幹事の品川正治さんでした。
品川さんは1924年(T13)生まれの84歳、私の父と同じ年齢です。低いけれどよく通る声で、「戦争、人間、そして憲法九条」をテーマに、人間のこと、その人間をかえてしまう戦争、憲法九条への熱い思いを、会場いっぱいの参加者に向けて語られました。
日本国憲法は「人間の目でつくられた憲法」、他国の憲法は「国家のためにつくられた憲法」で、日本のような憲法は世界に例がないといいいます。それができたのはなぜかを解き明かし、「自分はどちらに立つのか」をはっきり自覚してもらいたいと。
外地の戦場で爆弾の破片が足にささり傷を受けた自らの体験と、戦後、新憲法の第九条に「戦争放棄」が書き込まれたのをみたときの喜び。あの時、国民は新憲法を歓呼して迎えたが、私もその1人だった。「おしつけ憲法」をいう人たちは、戦争をすすめたり、すすめたい人たち。
講演で憲法九条への想いを話すようになったのはここ数年前からで、外務省職員を前に講演したとき、1人が「行政の立場では意にそわないこともあって苦しかったが、1つだけできることがある。それは主権者としての1票がる」と発言したら、期せずして会場から拍手が沸いたというエピソードも。
話は経済問題にも及び、非正規雇用などを生み出している雇用問題、日本の資本主義とアメリカの資本主義、サブプライムローンなど一握りの大金融資本に左右される世界経済。経済も「人間の目でみる」ことが必要であると強調されました。
「教育、医療、福祉、環境、農業」は、人間の努力なくしてはできないものばかり。決して市場にまかせにしてはならない。それが政治の役目と。いろんな意味で勇気づけられた講演でした。