県9条の会~堤未果さん講演会 会津風雅堂が満席に
【オープニングは、会津子どもクワイアの平和コンサートから】
24日、会津若松市の会津風雅堂で行なわれた県9条の会と会津の実行委員会主催の堤未果さんの講演会は、1,700の全席がほほ埋まり大盛況でした。
堤さんは、「貧困大国アメリカの未来」のテーマで、約2時間にわたり、9・11テロからのアメリカの変化とブッシュからオバマ大統領になってからのアメリカなどを自身の体験やルポを紹介。
堤さんは、アメリカニューヨークの9・11テロの時、ちょうど隣のビルの22階で働いていてそのようすを目の前で体験。命が助かったことをきっかけにジャーナリストへ転身。アメリカの現実をルポした著書「貧困大国アメリカ」は、日本で大きな反響を呼んでいます。
【会場内で~9条ペンダントを買い求め、さっそく身につけて】
アメリカは、イラク戦争へ突入するなかで、3大政策つまり、警察や電話局を使って全ての情報を監視する法律をつくり、教育や社会保障の予算を削減し貧困層を拡大させ、規制緩和・民営化路線を強力に推し進めました。
ニューオリンズの町ハリケーンで大被害を受けたのも、自然災害対策機構を民営化しコスト削減競争に追い込んだことが原因といわれています。
軍隊まで民営化されたとは驚きました。徴兵制もすでに義務化が廃止され、その代わり兵士を勧誘する民間のリクルーターがいること。
これは、政府の教育予算削減とからめて行なわれ、実は日本でも実施された全国一斉学力テストを行ない、このテストで学校間を競争させ、生徒の成績で教育予算を配分するというのです。
テストの成績と同時に、生徒の個人情報(親の収入や犯罪の有無、生徒の携帯電話番号まで)全てを国に提出するしくみがつくられ、提供しなければ学校補助金がカットされるので、貧困地域で成績の悪い学校では教師も拒否できずにいる。
こうやって、貧困層の高校生をねらってリクルーターが言葉巧みに兵士になる契約書にサインをさせる。いったんサインしたら断れないしくみには、戦慄を覚えました。
でも、堤さんは最後に、憲法9条が世界から歓迎されていること。9条と25条の生存権の両方を守る大切さ。あきらめずに続けること。その一人ひとりの行動が政治を変えさせる大きな力になることを訴え、参加者に大きな感動とエネルギーを与えてくれました。
【講演終了後、著書のサインに応じる堤未果さん】