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夏井川の土砂堆積除去で県中建設事務所長へ要望                                  滝根小白井風力発電建設工事も原因では?と指摘

 14日、田村市滝根町の木村高雄党支部長、地元の漁協役員と共に、夏井川の河川土砂堆積除去を県中建設事務所長へ要望しました。沼田所長らが応対し、県庁環境影響評価室の斉藤室長も同席しました。

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    【県中建設事務所長へ要望する木村高雄前議員、渡辺夏井川漁協滝根副支部長ら】

 田村市滝根町内を流れている川は、夏井川の上流にあたります。下流住民には飲料水や水田の農業用水にも利用されていますし、水質がきれいなので岩魚やヤマメが生息し多くの釣り人が訪れています。

 ところが、この川に昨年泥水が出て川魚が激減しました。地元夏井川漁業共同組合は、夏井川源流で工事を行なっている滝根小白井風力発電事業者に対し、稚魚を放流できなくなったと漁業補償を求め申し入れたところ、事業者から一定補償された経過を、この日の交渉に参加した漁協副支部長の渡辺さんが明らかにしました。

 このことは、風力発電事業所が、建設工事に伴う夏井川の水質に影響を与えたことを自ら認めたことだと思います。

 渡辺さんは、この泥水の影響によって川石にノロが溜まるようになり、石底をあげるとびっしりいた川虫が棲めなくなって、ヤマメなどの川魚の餌がなくなって激減していると詳しく解説。

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    【10日の現場調査から。林道が開削された側溝には、細かい砕石が流れ込んで】

 また、渡辺さんは、自然保護活動もされており、野鳥や植生の観察からノスリやタカなどの猛禽類が飛翔する姿もみられなくなったことや、楽しみだったきれいなオオルリの鳴き声もほとんど聞かれなくなったこと、真っ赤な山つつじもほとんどなくなったと指摘。

 風力発電が建設される和田山は、もともと滝根町の金山牧場といわき市川前町の阿武隈高原牧場だったところです。そこを林道を広げる開削工事や頂上には風車建設の造成工事が行なわれ、豊かだった自然の生態系が大きく破壊されているのです。

 所長は「土砂堆積の原因は他にもいろいろ考えられる。風力発電工事に関する問題については私の部署では答えられない」と述べつつ、「河川土砂の除去の要望はたくさん寄せられており、治水の優先度から判断すれば、急いで対処すべき箇所ではないとみている」と回答しました。

 私たちは「風力発電工事による影響が、部署を超える問題というのであれば、県庁内の関係部局へつなげてほしい」と再度要望しました。

 それにしても、阿武隈山系には、滝根小白井(おじろい)風力発電で23台(07年5月工事着手)、常葉町の桧山高原牧場で14台(08年4月工事着手)と2ヵ所で工事中です。他に、川内村・いわき市にかかる黒仏木(くろぼっけ)に26台、楢葉町・広野町に16台と計2ヵ所に計画中で、県の環境アセス中であり、全部で4ヵ所、計79台もの風車が建設されることになります。事業者は、全部別会社です。

 さらに、会津地方では県内最大の郡山市布引高原に33台の風車建設が完了したほか、会津東山の背あぶり高原にも10台風車建設の計画があり、県のアセス中です。

 新エネルギーとして注目されている風力発電ですが、最近、環境にやさしいどころか環境に多大な負荷を与えたり、低周波など人体へ影響を及ぼす風車病などの問題点が浮かび上がっています。

 日本でも、ドイツのように「予防原則」を適用させ、科学的に因果関係が十分証明されない状況であっても必要な規制もかける制度づくりが急がれます。そして、行政であれ住民であれ、問題点に気づいたら真摯に対応し、住民の大切な命と環境を守っていくことにこそ重点をおくべきではないでしょうか。

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