中山間地の二本松市木幡で 耕作放棄地を利用し羊を飼育
25日、中山間地で耕作放棄地を活用し、羊を飼育していることが話題を呼んでTVでも放映された、二本松市木幡(こはた)の農業、安倍俊一さんと千代さんご夫妻を訪ねました。案内は、元党町議の鴫原さんです。
安倍さんは今年76歳、以前は町会議員をしながら米やハウス野菜など農業をやっていたそうですが、10数年前からサーフォークという羊を飼育しています。親13頭、子が約20頭います。6人で組合をつくっていますが、みな60代以上とのこと。
元々このあたりは、戦前に2,000頭もの羊が飼育され、道端で毛を刈る職人の姿がよくみられた地域だったそうです。
小柄で顔と足が黒い色のサーフォークは、なかなかおしゃれ。毛は短いのですが活用します。主には肉用です。肉質は、脂身が少なく胃にもたれにくいので、高齢者や子どもにおすすめだそうです。
また、飼育の面からみても年寄りには扱いやすく、耕作放棄地になっている畑を借りて草地を金網で囲って放牧しえさ場にしています。ビニールハウス小屋と草地とをひつじたちが自由に行き来できるようにしてあるため手間もかかりません。
ただ、柵にしている金網代もたくさん必要なので、こういう部分に行政の支援があれば助かるのにと言われました。
【遠くで草を食べている羊がみえますか】
また、11月~4月までの半年間で子取りができるサイクルなので、現金収入が得やすいこと。その家畜市場が本宮市にあります。羊とヤギを扱う家畜市場は東北ではここだけだそうで、今年は8/25がせり日。この日は売買のために全国から集まってくるといいます。
ご自宅におじゃましてお話を伺っていると、奥さんの美代子さんが、この羊からとったフワフワの綿を見せてくれました。山桜やねむの木の葉っぱ、たまねぎの皮などで染色し、糸に紡いで、機はゆるめにして織るのがコツだそうです。コートに仕立てたものをみせて頂きましたが、明るい色合いで、軽くてあたたかい毛織物の肌さわりは素敵でした。
千代さんは、小さい頃に糸を紡いだり機織の経験があるからできるそうですが、それでもその工程を川俣まで行って習ってきたとのこと。熟練の技を取得するのはなかなか難しいようです。(奥様の名前を間違えていました。お詫びして訂正します)