あぶくま養護学校を視察 さらに手狭になった教室、遠い通学区
県議会開会前日の28日、あぶくま養護学校を再度訪問し、教室不足の現状と広域の通学区問題などについて実態をうかがってきました。
私たちは、教室不足を以前から指摘していますが、より深刻になっています。図書室も防音装置がある言語教室もとっくに教室に使用され、幅広い廊下も作業スペースになったり、運動スペースになったりしています。
あぶくま養護は、通学制の知的障がい児の養護学校です。300人以上が在籍し、そのうち約半数が高等部の生徒です。その高等部の子どもが毎年増え続けているのです。
地元の小中学校の特別支援学級にいた子どもたちは、高校生になると高等部がある養護学校に入学してきます。しかし、それに見合うだけの障がい児の高等部が県内に少ないことが要因です。
LD・LDHDなど発達障がい児や、自閉症児などの中には音に敏感な子どももいて、半分に仕切ってある教室を、さらにコーナーで仕切り子どものスペースを確保。
現場の先生たちの知恵と工夫で対処していますが、障がい児の学ぶ権利や人権を軽視し、見て見ぬふりをしてきた県教委と県の責任は重大だと思います。
【ここは、廊下。和菓子メーカーの協力で、菓子箱の組み立ての作業中】
【教員だけでも約180人になる職員室は満杯状態。別の部屋に分散し会議の時だけ一緒に】
その子どもたちは、郡山市内、田村市・船引方面、須賀川・岩瀬方面、二本松・安達方面から広い県中地域が通学区となっています。最も遠いのは、田村・船引方面です。バス停から片道1時間半、自宅からだと2時間近い通学です。
小中学部はスクールバスで通学しますが、高等部になると自力通学が基本です。いずれにしてもバス停や電車の駅までは親が送迎しなければなりません。
せめて、各方面に分校を設け、通学時間を短くし、障がい児と保護者の負担を軽減すべきです。そのための財源は、不要不急のムダな小名浜人工島建設を中止すれば充分回せるはずです。