17日、県議会の環境回復・エネルギー対策特別委員会で、福島第一原発を視察しました。
最初に、広野町と楢葉町との間にあるJヴィレッジ内で、エネ庁現地事務所の野田所長からは現地事務所の活動について、東電の石崎代表と増田CDO、白川ユニット所長から、廃炉・汚染水対策についての説明を受け、質疑応答しました。
わが党の阿部裕美子県議が、この間の汚染水対策とタンク建設現場で発生した作業員の事故について質問。私は、エネ庁に対し汚染水対策に関して質問。現地事務所に地下水などに詳しい水文学の専門家が配置されているか、凍土壁やトレンチで90%台しか凍結していない現状について質問。
野田現地事務所長は、水文の専門家は現地事務所にいないが土木の専門家が対応している。また、経産省本部での会議には全国から専門家が入っているなどと答弁。
一方、建屋とつながっているトレンチ部分の凍土遮水対策は、今も課題があり規制庁とも対応策を検討中と答弁。東電側も、トレンチ内にはケーブルを通す配管があるため、凍りにくいと説明しました。
このあと、9月半ばに全線開通したばかりの国道6号線をマイクロバスで北上。途中の空間線量は、広野町で毎時0.2~0.3マイクロシーベルト、楢葉町で3マイクロに、第一原発に入る交差点あたりは8マイクロ、さらに右折すると20マイクロにも!ここはいつも高い。第一原発の正門は3マイクロでした。
私たちは、まず重要免震棟に入り、ここで職員のみなさんに委員長から挨拶。
このあと、防護服に着替え、構内を専用バスで視察。敷地内は、以前に比べればガレキも撤去され、汚染水などの配管は整頓されたようにみえました。しかし、汚染水を入れるタンクは、海上輸送で搬入された完成品もあれば、この敷地内建設中などでひしめいていました。
また、3号機付近は今も高い放射線量を放出し、3号機屋上は100ミリシーベルトあるとのこと。とても人間が近づけない状況です。
3系統ある多核種除去装置アルプスは、度々故障していますが、その建屋内を見学。新型アルプスは近くにありますが、試運転中とのこと。果たして性能大丈夫なのか不安です。
4号機建屋内では、今月5日に使用済み核燃1353体の搬出を完了したところで、残り新燃料180体を12月末までに終了させる予定とのこと。
4号建屋周辺では、作業員が凍土壁をつくるアイスキャンデーのような筒を地下30mまでの深さに埋める作業をしていました。
ここの空間線量は、50マイクロ。作業員は、防護服の上からさらに重さ10キロの黒い防護帯をつけて作業中していました。