15日、総括質問で33分間の持ち時間で登壇。最初に、今月3月31日で自主避難者への住宅無償提供の打ち切りが迫っている問題、3月31日で帰還困難区域を除くすべての避難指示が解除される市町村(飯館村、川俣町山木屋地区、浪江町、富岡町)の課題について質問。
県は、3/10現在、戸別訪問対象の12,239世帯のうち県内が76世帯、県外が151世帯の計227世帯が、4月以降の住まいが未定と答弁。しかし、この数字も高齢者が多い川内村の避難者は、4月になれば仮設住宅を壊すと言われたと苦渋の選択で決めたとか、県外の自主避難者も退去を迫られ精神的に追い詰められている訴えが直接届いていると紹介。再度、住宅供与の延長・継続を求めましたが、県は災害救助法の限界を述べるだけです。原発事故による避難という本県特有の課題をみない、国や県の姿勢が問われます。
帰還しても、避難先でのかかりつけ病院への通院手段の問題もあり、強制的な仮設住宅の追い出しという人道に反することを県がやるべきでないと強く求めました。さらに、今月末には帰還困難区域(パネル図の赤い部分)を除いて避難区域は全て解除されますが、課題山積です。
被災自治体の職員や県職員の人手不足、医療・介護、福祉分野でも深刻なマンパワー不足とそれによる介護施設の休止問題。再度線量が高い除染への対応。避難解除後1年で賠償は打ち切られますが、高齢世帯の「命綱」となっている国保税や介護保険料等の減免は、新年度も継続します。
ところで、原発事故・収束問題に関して、自民党は今議会の代表質問で「天災」だったと述べました。しかし、2012年12月県議会で前佐藤雄平知事も「人災だった」と表明しています。共産党は、福島の原発事故前から津波対策を行うよう東電に何度も求めていましたが、「安全神話」にどっぷりつかり必要な対策をとってこなかったことが今回の原発事故であり、「人災」そのものと批判。
また、知事が何度求めても「第二原発の廃炉」を国・東電が明言しないのは、知事や県民を愚弄するものだと指摘。代表質問でも求めた“県民集会”の開催と、柏崎刈羽原発の再稼動中止を求めている新潟県の米山知事との連携を提案しました。
しかし、知事は県民集会の開催や新潟県知事との連携については直接言及せず、これまで同様、あらゆる機会を通じて第二原発廃炉を求めていくと答弁。私は、「第二原発廃炉」をしなければ本県の復興などありえない、本気で国・東電に明言を迫るべきと重ねて求めました。
経産省が示した「東電改革提言」では、廃炉費用がこれまでの2倍の22兆円と試算。2号機デブリ調査で使用したサソリ型ロボット等の費用は、私が国会を通じて調査し、事業費は約14億円弱だったと明示しました。そもそも廃炉費用は、東電や「原発利益共同体」が負担することが原則です。国民や新電力に負担させないよう国に求めよと質しました。
ところで、新年度県予算には、浜通り地方の復興事業としてイノベーション・コースト構想関連で700億円を計上。改正福島特措法にも国家プロジェクトとして位置づけ、財源を国に求めています。これ以外のハード事業も目白押しです。
すでに整備された研究拠点整備費・運営費は多額です。県立医大に併設した国際医療科学センター(福島市)は3部局の事業で約415億円、新年度運営費は全体で149億円。環境創造センター(三春町)は県内の付属施設を含めて総額で約127億円、9億円の運営費。医療機器開発支援センター(郡山市)は約120億円、運営費約2億8千万円と答弁。
整備費もさることながら、施設の維持管理経費・運営費が、今後県民負担とならないようにと強く指摘しました。
国直轄除染で福島環境再生事務所職員が逮捕された事件、広告最大手の電通の過労自殺で種類送検された事件を受け、県の認識と対応策を質すとともに、福島県の最低賃金は最低のDランクですが、全国一律の1000から1500円に引き上げること。また、県の復興公共事業へ新規参入も含め県内業者への発注を優先し、地元にお金が回る入札制度にと質しました。
一方、県の新年度当初予算には、医療や介護の負担軽減、子育て支援や子どもの貧困対策への具体策はほとんど見えません。子どもの貧困対策では、見える化を行ない、特にひとり親家庭に対しては、県の多子世帯への保育料軽減制度を第1からに拡充するよう求めました。
教育行政では、2020年度から小学校の外国語・英語教科の導入について、現場の声を聴いて慎重にすること。国の法改正を受けて小中高校の学校司書は正規で雇用するよう求め、また、新年度から教員の人事評価制度に給与と連動させることは、中止すべきと求めました。