月: 2020年12月
閉会日、2つの議案で討論/12月議会提出議案で意見、19年度普通会計決算に反対
12/17の閉会日、12月県議会に提出された議案、2019年度決算の普通会計決算には反対の立場で、これら2つで討論しました。
◆ 12月県議会に提出された知事提出議案5件と、県職員の期末手当て引き下げに伴う減額補正予算等追加議案5件に反対し討論、また意見書・請願について討論しました。 知事提出議案のうち、イノベ構想の重点分野に加えられた「ふくしま医療機器開発支援センター」は、再度同じ管理者を指定するための議案については、開所以来収益が見込めず、これまで同様、今後5年間も県の一般会計から毎年約2億円ずつ赤字補てんするのは県の見込みが甘いと指摘。「会津自然の家」は、今回初めて指定管理者に委託するとしましたが、そもそも教育施設は県直営で運営すべきものと討論。
県民1人当たり年間1000円負担している県森林環境税を今後5年間延長する条例改正案、県の建設事業に市町村の追加負担を求める議案には反対を表明。さらに、特別職は別として、災害やコロナ対応が続く県職員の期末手当てを0.05月分引き下げ、総額6億6千万円を減額する追加補正予算5件には反対を表明しました。
議員提出議案については、自民党提出の「多核種除去施設の処理水の取り扱いについて理解の醸成と風評対策の抜本的強化を求める見書」は、「処理水」の海洋放出を前提としていること、「国際教育研究拠点の充実等を求める意見書」は、各大学等との連携や既存施設を活用し、これ以上イノベ構想で新たな研究施設整備は中止すべきと討論し、これら2つの意見書に反対を表明しました。
一方、共産党が紹介議員となった意見書・請願については、可決・採択を求め討論。消費税率5%への減税及び売上減少事業者の消費税免除措置を求める意見書、より良い幼児教育・保育の無償化の実現を求める意見書、「義務教育費国庫負担」を2分の1に復元し制度充実を求める意見書は可決すべき。また、県立保原高校定時制の存続を求める請願と教育予算の増額を求める請願は採択を求め討論しました。
◆ 「2019年度普通会計決算は不認定」とし討論 東日本大震災・原発事故から丸8年が経過した2019年度は、10月に台風19号の災害に見舞われ、また年度末には新型コロナ感染対策も求められた指摘し、4点にわたり討論。
まず、「大震災・原発事故対応について」は、同年7月末にようやく「福島第二原発廃炉」を東電社長が表明したが、廃炉作業は進まず、ADRを含め賠償に応じないと東電の姿勢を批判。また、今年2月、国の小委員会が、汚染水処理方法について「海洋放出と大気放出が現実的」としたことへの県内外からの反対の声が上がっていること。避難者に対しては、双葉町・大熊町を除く帰還困難区域の住宅無償提の打ち切り、国家公務員宿舎入居者を裁判に提訴し、県外2千世帯への県独自の家賃支援も打ち切るなど、避難者への冷たい県の姿勢を厳しく批判。
2つ目に、「復興のあり方」については、イノベ関連に当初予算で913億円、4年間累計で3,700億円もの復興予算を計上したが、避難住民置き去りだと指摘。
3つ目に、「台風・豪雨災害への対応」については、10月に消費税率が10%に引き上げられ、さらに台風19号等の災害に見舞われ、県は床上浸水1m未満の「準半壊世帯」への独自支援制度を創設したものの、住宅再建は進まず。これまでの県の河川整備の遅れが災害を招いたことから、大幅な河川整備予算の拡充が必要と指摘。
4つ目に、「新型コロナ対策」については、2月末の政府の全国一斉の学校休業要請に伴い学童保育所の受け入れや休業支援金への対応が求められたが、今も感染は広がっていることから防疫の観点での検査拡充と失業者や中小業者への直接支援が必要と指摘しました。
5つ目は、今年4月から地方自治法改定による「内部統制に関する方針」は、公務の職場にはなじまない企業的手法による成果重視の行政運営を求めており、しかも県監査委員会は19年度決算から前倒し実施したと批判。本県は、原発事故、台風被害、新型コロナ対策で疲弊している今だからこそ、地方自治の本旨に則り、「公助」の役割こそ強調すべきと求めました。
採決では、自民党、公明党と県民合会派が同じ態度をとり、それぞれ多数で採択、否決としました。
閉会日の冒頭に、長尾トモ子県議が地元市議に副議長就任祝いに粗品を贈呈し、公選法の疑いが判明したことから本人から辞職願いが出されたことを受け、副議長選挙も行われ開票立会人に大橋沙織県議が選任されました。共産党県議団は、第二会派の県民連合の宗方氏に投票。自民・公明が多数のため、自民党の青木元副議長が当選し就任しました。
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12月県議会~大橋さおり県議が代表質問で登壇/新型コロナ感染拡大防止対策、汚染水海洋放出に反対表明を知事へ質す
12/7、共産党県議団を代表し、大橋沙織県議が初めて30分間の代表質問で登壇しました。
内堀知事への質問は2問、①新型コロナ対策について、感染リスクの高い医療・福祉施設での重点的な検査を実施し、感染拡大を防止すべき、②福島第一原発の汚染水の海洋放出に反対すべき、と質しました。
県内では、新型コロナ感染が拡大し、12/6発表で感染者530人、重症者5人、死亡者8人、福島市ではクラスターが発生。大橋県議は、わが党が11/19、感染防止のための「社会的検査」の徹底など4つの提案を紹介し、①無症状感染者を把握するためのPCR検査抜本拡充、②感染の接触追跡を専門に行うトレーサーを確保し、保健所の体制を抜本的に強化する、③「医療崩壊」を絶対に起こさないために、医療機関の減収補てん、宿泊療養施設の確保を行う、④「GoTo」事業を見直すこと、これらを県に質しました。また、「社会的検査」の壁になっている検査費用を全額国費とするよう国に求めること、インフルエンザの予防接種費用補助とワクチンの確保等を県に求めました。
また、コロナ禍での経済対策について、県内の解雇が1,239人、福島市の飲食店が7割に落ち込む中、菅政権は中小企業を淘汰・集約化しようとしていると厳しく批判。雇用調整助成金・休業支援金が来年2月末まで延長されたものの、国の持続化給付金は年末で打ち切られるため、いずれも今後も再度給付が必要、消費税の減免と減税を国に求めよと質しました。特に、民青が県内2ヶ所で取り組んだフードバンクで大学生の生活困窮の実態を告発し、県が直接支援をと再質問でも迫ると県が「検討していく」と答弁。
原発事故への対応については、汚染水の海洋放出問題、国の加害責任についいて、避難者支援、復興公営住宅の家賃減免制度の周知、税や医療減免の継続等を求めました。
地球温暖化対策は、県も2050年までにCO2削減を実質ゼロを目指すことを表明せよと迫り、農業の振興では農業後継者を支援する桑折町等への県の独自制度の創設を。伊達地区の特別支援学校に関して、建設予定の保原地区の浸水対策の東根川の改修と通学費の保護者負担軽減を求め、高校統廃合は中止を含めて見直し、保原高校の定時制の存続を県教委に強く求め質しました。
最後に、県のジェンダー平等について、女性の自殺者の急増を指摘し、会計任用職員はフルタイムで任用を、女性管理職の積極登用をと求めました。