郡山の仮設住宅へ兵庫の大道芸人ボランティア~腹話術と創作楽器で楽しいひととき

29~30日、兵庫県丹波市から2人の大道芸人コンビが、郡山の仮設住宅ボランティアで楽しい時間を演出してくれました。ハンカチやトランプを使った手品と復話術を披露したのは、平山和志さん。何とこの方は共産党町議を経て党地区委員長代理であり、衆議院選兵庫5区の候補者もされました。

 生活用品の廃棄物を使ったリサイクル楽器・創作楽器で演奏したのは、マエストロ足立さん。この方は養護学校の教師です。まもなくあと1年で定年を迎えるそうで、定年後はこの創作楽器に専念できるのが今から楽しみとのこと。 

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 この2人は、中学校時代の同級生で、20~30年前から3人で始めたそうですが、もう1人は仕事で来れなかったそうです。それにしてもプロ級の腕前です。

 交通指導員でもある平山さんは、若い頃独居老人のところへ何かボランティアをと始めたのが腹話術だったそうですが、保育園や小学校へ呼ばれることが多かったとか。でも さすが、きょう参加された高齢者のみなさんに手指の体操を指導してくれました。左右の指を違う動きをさせるのは、難しくて私もうまくできません。

 

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マエストロ足立さんは、南アメリカのケーナという葦でつくった笛の演奏から 始まり、使い古しのほうきの柄の部分に穴をあけた笛、ビニールホース、プラ スチックの子どものおもちゃ、ストロー、習字用の筆を使った縦笛、自分の足や手の形をかたどったオカリナ。タンバリンと浮き輪を使ったウクレレ(浮くれれ?)に、ジョーロまで使ってハワイアンを。

 

 

 

IMG_0031最後に、ピアニカの黒鍵は日本の和音の音だと気がついたと、なんと頭で演奏。会場は爆笑のうずに。演奏合間のトークはもちろん、南米音楽からゲゲゲの鬼太郎、フーテンの寅さん、会津磐梯山、演歌まで幅広いジャンルの音楽を演奏。次は何がでてくるか興味しんしんのうちに楽しい時間はあっという間にすぎました。

でも、会場を出る時、ある高齢の女性は「娘を津波で亡くしたの」と私にそっと打ち明けたのです。さまざまな不安や悩みを抱えながら生きてきた避難者の2年間の思いに垣間ふれて胸がつまりました。

IMG_0003                       【お二人を囲んでお昼の食事をしながら懇談】

今回は、バイタリティあふれる異色の共産党ボランティアでした。私は、このお二人の演目の前に、共産党郡山ボランティアセンターを代表して県議会や原発問題について少し報告させていただきました。

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避難している浪江町の町議選、4・11告示~21投票/馬場績町議を励ますつどいを二本松市で

29日、二本松で開かれた馬場績(いさお)町議を励ますつどいが開かれました。浪江町議選は、4/11告示、21日投票で行なわれます。震災・原発事故後初めての町議選です。定数は4減の16人。これに対し、現在退任が7人、新人は11人、全部で24人が立候補予定で、多数乱立の選挙戦となりそうです。

馬場績町議は、放射能が一倍濃い地域の浪江町津島に自宅があります。牛も飼っていました。この津島に浪江町民が馬場町長はじめ役場の職員とともに多数避難してきた時、避難所でも大奮闘。しかし、まさかその場所があとでスピーディで判明したように、県内で線量が最も高い場所だったとは・・・。国と東電の情報かくしは本当にひどいものです。

馬場町議は、二本松に避難してからも避難者の支援活動を続けながら、その合間をみて3日に一度は牛の餌をやりに浪江の自宅と往復していました。その牛もその後、手放さざるをえなくなるのですが。

IMG_0002きょうのつどいでは、私も応援挨拶し、斉藤広二二本松市議団長、いわぶち友参議院選挙福島選挙区予定候補も挨拶。そして、浪江町民の方2人も激励の挨拶をされました。そのうちの1人は郡山に避難していた浪江の女性です。

IMG_0011この方は、現在いわき市の民間借り上げ住宅に住んでいますが、わざわざ馬場町議の励ますつどいにかけつけてくれました。実は、私の県議選でも大変お世話になりました。きょうの応援の挨拶では、私が寝ているような時間も奔走して頑張ったと言っていましたが、今度は馬場町議の選挙で頑張ると表明してくれました。

この方との出会いは、郡山の県立高校の避難所を回っていた時でした。郡山商業高校に小学校に、小学校入学前のお孫さんなど家族と避難していました。私は浪江の方と聞き、すぐに馬場町議へケータイで連絡。馬場町議は、衣類などの支援物資をいっぱい車につんでやってきてくれ、そして、他の浪江からの避難者と共に要望をお聞きする会を開きました。議員や町役場から誰も来てくれなかったと言われ、たくさん要望を受けたことを思い出します。

あの頃、高校は新学期が始まるため次の避難所に移ることになって、各市町村から避難者へ連絡が入り、他の避難所へ移動する連絡が次次々と入るのに、浪江町はバラバラに避難したため、郡山にある避難者には町役場からの連絡が入らない状況だったのです。

さて、馬場町議は、町議選に再度挑戦するにあたっての決意を表明しました。28日、東北電力が、浪江・小高原発計画を中止するとの発表にふれ、一貫してこの原発の中止を求めてきたこと。ついに、しかも自分の誕生日に中止の発表があったので、記念すべき日になったこと。そして、「被災者に寄り添った町政をつくるために全力で奮闘する」と力を込めて決意を表明。

県内だけでなく県外にも大勢避難している中での選挙戦は、国政選挙で一定経験しているとはいえ、町議選で1票を争う選挙ではなかなか大変なことです。全国に避難している方にもよびかけを。

原発労働者・除染労働者の実態報告~県革新懇・自治体問題研究所学習会

25日夜、福島市で原発労働者と除染労働者の実態報告学習会がありました。県革新懇・県自治体問題研究所主催の連続学習会です。

IMG_0001報告したのは、原発労働者の問題に一貫して関わっている共産党の渡辺博之いわき市議と、労働相談センター所長の小川英雄さんです。私たち県議団も参加しました。

IMG_0002 労働相談で明るみになった国直轄除染事業における不適性除染や除染労働者のピンハネ問題は、実はこれまで長年ブラックボックスとされてきた原発労働者の実態とウリ2つです。元請けは、東電などの原発の仕事を請負っている大手ゼネコンであり、原発でもうけ除染でも同じゼネコンが儲けているのです。暴力団までかかわっている点もそっくりで、最近では除染労働者が拉致される事態も発生しているようです。

原発労働者は、電力メーカーやゼネコンの下請け労働者として雇われ、6次から7次下請けまである多重下請け構造になっています。そして、労働者の健康被害を無視した劣悪かつ使い捨て労働が横行していました。

渡辺市議が一貫して原発労働者の相談にのる中でそのベールが少しずつはがされ、闇の実態が明るみになってきました。もちろん、労働者には厳しいかん口令がしかれるのもしばしばです。渡辺市議は、これらの実態をまとめ本を出版しました。

ところで、こうした労働者や技術者がいなければ、これから長く続く除染も、原発の収束作業も廃炉もすすみません。末端の労働者まで、安全な労働環境と危険手当てをきちんと支払うしくみにしていくことや暴力団の関与は許さないなど、国に改善と法規制を求めていく運動が求められていると思いました。

36日間の2月定例県議会が閉会~阿部県議が反対討論

25日、ようやく2月県議会が閉会しました。今議会は例年よりも長い36日間の会期でした。知事提出議案は、当初予算案・補正予算を含め全部で91件が提案され、人事案件や意見書・請願を含めると100件以上を審議しました。

最終本会議では、阿部裕美子県議が討論に立ち、新年度予算案をはじめ、県立病院や県営住宅廃止に伴う条例改正、県職員の給与と退職金の引き下げなど14件の議案に対する反対する討論を行ないました。阿部県議のほか、めずらしく他会派から賛成討論や反対討論など3人が討論しました。

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阿部県議は、安倍政権について知事は評価しているが、TPP参加や消費税増税を明言し、さらに23~24日に2回目の福島県入りした安倍首相は、なんと原発の再稼動を明言したのです。今月18日に発生した東電の停電による燃料プールの冷却が停止した事故をみても福島原発事故は収束していないこと。阿部県議は、あらためて県から「事故収束宣言の撤回」、「10基廃炉」、「人災」を国・東電へ明言させるべきと強調しました。

wp原発事故という異質危険がもたらされた本県は、丸2年たつ今も15万人を超える避難者、1300人を超える災害関連死になっている。除染や賠償、健康支援でも県のイニシアチブの発揮が弱いこと。

さらに本県の子どもたちが肥満傾向にあり体力低下も明らかになったが、屋内遊び場やふくしまっ子体験活動応援事業をもっと予算の面でも内容の点でも拡充が必要と指摘。その一方で、無駄な大型公共事業の小名浜東港・人工島建設をやめようとしていないのは問題と批判し、当初予算案には反対を表明しました。

さらに、震災前の1・7倍にもなる県政史上最大の県予算が組まれているのに、それに見合う県職員と教員が不足していること。安倍政権は、国家公務員の給与引き下げを地方公務員にまでおしつける異例の総務大臣書簡を出し、しかも、地方交付税とリンクさせて削減を迫る国のやり方を批判しつつ、職員の給与と退職金の引き下げをすべきでないと反対を表明しました。

3・23原発のない福島を!~福島県民大集会に7000人

3・11で、大震災・原発事故から丸2周年。全国各地で3・11をはさみ原発ゼロを求める集会が開かれたようですが、福島県の県民集会は3/23、福島市にある県営あづま総合体育館で開かれました。メイン会場の体育館とアイスアリーナを含め7000人が参加しました。

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県復興共同センター、県平和フォーラム、県生協連、JA、県漁連、県森林組合、県女団連などで組織する実行委員会が主催したものです。

午前11時から伊達市の霊山太鼓、喜多方市の彼岸獅子、楢葉町の大谷じゃんがら念仏踊りのアトラクションが始まる頃、県内各地、全国からも大型バスで参加者が続々と会場につめかけました。

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【郡山のみなさんが到着】

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【秋田から伊藤さんら7人で参加】

IMG_0025   【郡山から参加されたみなさんと】

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 県民大集会は午後1時から開かれ、体育館の1階は県内参加者、2階席は全国各地からの参加者で埋め尽くされました。犠牲者に黙祷をささげたあと、主催者を代表し五十嵐史郎実行委員長が、呼びかけ人を代表して清水修二福島大学教授が挨拶しました。連帯の挨拶は、大江健三郎さんの予定でしたが都合で出席できず、ルポライターの鎌田慧さんが挨拶。また、佐藤雄平知事からは、10基廃炉を求めている県の姿勢を示すメッセージも紹介されました。

 「県民の訴え」では、7人が訴えましたが、それぞれの訴えに共感して涙がとまりませんでした。共通していたのは、原発は安全なものと思っていた人たちばかりです。まさか原発事故で家族も友だちも普通のくらしもバラバラにされたことがよくわかります。

最初に訴えたのは、JAふたば代表理事専務の篠木弘さん。農家は隣近所、真親戚、家族が絆深く暮らしていたのに、放射能で田畑を汚されふるさとに戻ることもできないと。

相馬双葉漁協理事の佐藤弘行さんは、底引き網の漁師。海は放射能に汚染され、今も主力5品を含む41種類は出荷規制されている。試験操業はたった3種類の漁から始まり、ようやく12種類にまでなったが、風評被害を広げると反発もあった。けれど漁師は魚をとってこそ漁師。今年58歳になるが、もう漁はできないかと弱気も出るが、幸い息子が嫌がっていた漁師になる決意をしてくれた。かつてのように、頻繁に人と魚が行き交う市場を想像して漁師は頑張ると。

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唯一10代を代表しての訴えは、この春高校を卒業したばかりの南相馬市小高町の高野桜さん。初めての高校生平和大使となり、スイスのジュネーブで原発事故で被災したふるさとの実態を訴えた。ブラジルや長崎の被曝者と交流した経験も。一時帰宅したときに持ってきたものは、友だちとの写真と友だちからの手紙だった。その自宅はいまネズミやハクビシンが入り込んで動物の糞だらけに。

つらい体験もしたけれど、忘れられることが一番怖い。今は見慣れた風景になったモニタリングポストが設置され、仮設住宅が並び、家族がバラバラになっているかれど、これは普通でないこと。風化せないために、この事実を伝えて生きていくとしっかり堂々と訴えました。

森林組合の鈴木弘さん。国土の7割、福島県の8割が森林。建築用材やきのこ・山菜など環境面でも豊かな恵みをもたらしてくれていたのに、国は除染の優先順位を低くしスタートラインにも立てない状況。雨が降れば川へ放射能が流れ込む。木材になるまでには40~50年かかる。この山で生きていきたい。若い人の夢を奪わないでほしい。人は変われる。原発の再稼動など、これだけのリスクをみればできないはずと。

IMG_0038 さらに、県旅館ホテル生活衛生同業組合理事長の菅野豊さんは、郡山の磐梯熱海温泉華ノ湯の社長です。3・11の地震発生後、お客のキャンセルが次々と入り、組合全体で68万人の予約がいっぺんに消失した。その後は、双葉地方からの避難者など211万人を受け入れた。

その一方で、損害賠償にも取り組み、国や東電に被害の実態を100%原発が原因とする福島方式という損害賠償をつくりあげた。いま震災前の8割程度に回復したとはいえ、壊れた建物の修繕など課題は山積みしている。原発は安全だと鵜のみにしてきたが、放射能とのたかかいは30年も続く。みんなで元気を出していきましょうと。

県外に避難者している浪江町の大越たか子さん。ヨウ素もセシウムも知らなかった。2~3週間ですぐ帰れると思い、簡単な衣類と毛布1つもって車で避難。12時間がかりで栃木県宇都宮にたどり着いた。しばらくは帰れないからアパートを借りたらといわれたときはショックで涙が出た。原発事故から5日目だった。

家族は3ヵ所に分かれて住んでいる。まったく知らない人ばかりの街中にいて涙が止まらないこともあった。ふるさとに戻れるようになった時、新しくつながった人との別れでまた涙を流すでしょう。自宅はネズミとカビに占領され、カギを閉めて戻ってこなければならないつらさ。いつまで根なし草のような流浪の民の生活を続けなければならないのか。早く地に足をつけた普通の生活をしたい。人は、人の力で制御できないものはつjくるべきではありませんと。

最後の訴えは、福島市に在住している福島保養プロジェクトの平井華子さん。当時3ヵ月に息子と2才になったばかりの娘。情報を得たいとインターネットで捜していたらチェーンメールに振り回されたことも。表面的には震災前に戻ったようにみえるが、毎日放射能のことを気にしない日はないと。

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【あづま運動公園内では、ちょうど除染作業の真っ最中】

原発はいりません。全国の原発をゼロには県民だけでなく、全国の多くのみなさんの願いだと思います。ところが、きのうから福島県入りしている安倍首相は、きょう24日の記者会見で原発は再稼動すると述べたそうです。いったいどこをみてきたのでしょうか。すでにTPP参加も明言。来年4月からは消費税増税を実施しようとしています。7月の参院選挙で安倍自公政権に厳しい国民の審判を!

長谷部県議が原発問題、教育問題で総括質問

4586f82d8cfb1258628d79e4e3efe609[1]21日、総括質問の初日、長谷部淳県議が総括質問で登壇しました。30分の持ち時間を使い、原発問題と県教育総合計画の2つの項目で1問1答の質問をしました。

原発問題は、10基廃炉を国・東電に求めることについて、歴代自民党政権が「原発の潜在的核抑止力」をもっていること」を指摘し、政治に脱すること、シビアアクシデントという致命的欠陥をもった軽水炉は廃炉しかないことを福島原発事故は示したと述べ、この2つの立場から政府ん迫るべきと県をただしましたが、企画調整部長は「答える立場にない」と答弁。

実は、原発問題では、この10基廃炉問題、収束宣言の撤回などについて、いずれかに知事の答弁を求めていましたが、質問取りの段階で、何度要求しても知事は答弁に立たないとしたため、部長が答弁に立ったわけです。長谷部県議への知事答弁は1つもありませんでした。

代表質問や一般質問で答弁した以上のものはないからとの理由ですが、知事は長谷部県議からの追及をおそれて逃げたとしか思えません。政治家知事は、何度でも答弁に立ち県民や議会に自らの考えを示すべきです。

さらに、長谷部県議は、前日にも明かになった東電の汚染水や燃料プールの停電問題にもふれて、汚染水を海洋に放出しないことを国に求めるとともに、事故は収束していないことがあらためて明かになった今、国に収束宣言の撤回を求めるべきと質し、加えて第一、第二原発に事故直後に発令された「非常事態宣言」は解除されたのかと質問。

県は「非常事態宣言は解除されていない」と答弁。国の「事故収束宣言」は、この点からみても矛盾していることが明らかになりました。しかし、それでも県は国に対し「撤回」を求めることを今回も明言しませんでした。

e2a977f0824c211f89f2c4d11a15fc9b[1]さて、教育問題については、まず、1988年以降若者の雇用非正規と正規が半々になっている実態や大学生の自殺が増えている現状を示し、若者の自殺や不安定雇用、賃金の引き下げなどの社会的情勢をふまえた人づくりが教育計画に反映されていないのではないかと教育長を質しました。

また、未曾有の震災・原発事故を受けて、子どもたちや教員の負担や不安が増しているなかで、教員の増員で子どもたちへの真の学力支援、生きる力をつけるための学校・親・地域、子どもの参加を含めた恒常的な協議の場を全ての学校に設置すべきと質しましたが、教育長は計画にある美辞麗句を並べただけで、まともな答弁はほとんどありませんでした。

福島第一原発の停電と燃料プール冷却停止事態に対し、県へ緊急申し入れ

OLYMPUS DIGITAL CAMERA18日夜6時57分、東京電力福島第一原発で停電となり、使用済み核燃料プールや6,377体の核燃料が保管されている共用プールの冷却システム、放射性物質を含む汚染水を処理する装置などの重要な設備の運転が停止したうえ、重要免震棟まで停電する事態が発生しました。

今月9日には、共産党が第一原発を視察してきたばかりです。19日夕方、党県委員会と県議団は、県に対し緊急申し入れをしました。第一原発の使用済み燃料プールの冷却ができなくなるトラブルは今回だけでなく、昨年の1月17日と6月30日にも発生しています。

東京電力は、19日午前10時から記者会見しましたが、現在も停電の原因を特定できず、国の原子力規制庁も同様です。また、公表が大幅に遅れ、原子力規制庁が3時間後、東電はそのあとです。東電は、「点検する場所が多く、現場確認に手間取った」と説明していますが、とんでもないことです。また、東電は、燃料プールの温度は約13.7℃~25℃で、保規定の運転上の65℃に達するまでは4~5日の余裕があるかのような説明をしています。

IMG_0001   【3/20付けしんぶん赤旗4面に掲載された県への申し入れ】

きょうの緊急申し入れでは、以上のことを指摘し、①この事態に対して東電へ厳重に抗議するとともに、徹底した原因究明と再発防止対策を求めること。②今回のような事案の発生にあたって、速やかな情報開示と県民への速やかかつ丁寧な説明を徹底するよう、東電及び原子力規制庁に求めること。③今回の事態にあたって、原発事故は収束していないことは明らかであり、2011年12月16日に国が発表した事故の「収束宣言」は誤りである。この「収束宣言」を撤回するよう、あらためて国に求めること、の3点を求めました。

県は、生活環境部原子力安全対策課の小山課長らが応対。東電のトラブル発生時には15分以内に県へ連絡・通報することになっているのに、今回東電からの一斉FAXが届いたのは19時37分、県が内容を確認したのは19時53分だったとのこと。県は、トラブル発生から1時間後に認識したことになります。

私は、きょう開かれた県議会の産業・雇用・県土再生特別委員会でも、生活環境部長説明の中で今回の停電トラブルに関して何もふれなかったことを批判。原発避難者が、特に若い人は帰還したくてもできない最大の理由に事故原発への不安をあげていることを指摘。

県の速やかな情報公開を求め、また、国の「事故収束宣言」は今回の事態をみてもまちがいであること、福島原発は今もこうした不安定な状態にあることから「収束宣言の撤回」を国に求めるよう強く迫りました。

 

宮川県議が追加代表質問で登壇

40553/4、宮川えみ子県議が30分の追加代表質問で登壇しました。1人1人に寄り沿ったきめこまかな被災者支援をとの立場から、具体的な要望に基づき知事や県の県の考えを質しました。

 介護労働者の待遇改善のために県が直接助成すべきと質問。県、直接の支援はしないとしながらも、福祉・介護職員不足解消のために1,000人を確保するために資格研修や県内外への求人活動支援、特に、人材不足が深刻な浜通りの事業所には、新規介護職員の雇用に必要な経費への一部助成として2億3千万円を計上し支援していると答弁。

 また、旧騎西高校に避難している双葉町の避難者が、仮設住宅や借り上げ住宅に移る時は、災害救助法が適用されるはずですが、国は災害救助法は2年がすぎる今、適用できないなどと県に回答しています。しかし、旧騎西高校は「一時避難所扱い」ですから、当然災害救助が適用されるべきです。宮川県議の質問に対し、県は「災害救助法」が適用されるよう求めていることを明かにしました。

さらに、災害公営住宅についても高齢者に配慮した住宅建設を求めたところ、県は、高齢者が多いことに配慮し、段差解消、通路の幅の確保、手すり設置の他、3階以上の建物にはエレベーターを設置すると答弁しました。

なお、宮川県議は3/12、2月補正(整理)予算案に反対し討論しました。国から災害復旧関係の補正予算が追加提示され、年度内には消化できないために新年度へ繰り越す内容が大半を占め、これ事態はやむをえないものの、これ以外の被災者支援については、現行法では該当されずにいる被災者・避難者支援に対し、県も不十分な対応にとどまっていることを指摘し、反対としました。

志位委員長らと党県議団~事故後、初めて原発サイトを現地視察/「事故収束」には程遠く、「全基廃炉」を明言すべき

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3/9、志位委員長ら国会議員と県議団は、事故後初めて福島第一原発を視察しました。総勢22人の視察団となりました。

まず、免震重要棟に入り、志位委員長が東電職員を前に視察団を代表して東電写真へ挨拶。このあと、全面マスクと防護服を着用し、東電の構内用バスに乗り換え構内を視察しました。途中、汚染水タンク前と4号機建屋前の2カ所はバスから降りて現地をみて説明をうけました。

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海側から2~3号機建屋の前を通りましたが、毎時1000㍃シーベルト(1ミリSV)と線量が高いため、バスはスピードをあげて通過。建屋内部はメチャメチャでした。しかも、建屋内部はもっと線量が高く中に入ることができず、核燃料の状態を含めて内部がどうなっているか未だ解明されていません。

s-201303090380【構内をめぐる東電のバスに乗り込む防護服と防護マスクをつけた県議団4人】

ところで、原子炉内の溶けた核燃料を冷やすための汚染水処理がいかに大変な作業であるか、現地視察でいっそう明らかになりました。原子炉建屋の底に溜まったセシウムやストロンチウムなどの高濃度の放射性汚染水は、途中に核種と塩分を除去する装置を設置し再び冷却水として循環させています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA東電は、さらに除去の精度を高めるためアルプス(ALPS)という多核種除去設備を建設中ですが、実はこのアルプスを通してもトリチウムだけは除去できません。これを東電は、海に放出したいようですが、とんでもないことです。

 

 

 

 

さらに、建屋内には地下水が毎日400トンも流入しているため、汚染水のタンクはどんどん増え続け、大小800ものタンクが林立していました。写真の大きなタンクには1000トン入りますが、2日半で満タンになります。すでに27万トンに上り、敷地を広げタンクを増やしてあ2年程度しかもたないとの説明に、事態の深刻さを目のあたりにした思いです。

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また、4号機建屋は、使用済み燃料プール内から燃料を取り出すための建屋カバーの建設工事中でしたが、この4号機の4階には、志位委員長はじめ私を含め11人、2班が燃料プールがある場所に上りその場所を確認。4号機は、屋根がなくなり4階部分が展望台のようにむき出しになっていました。

汚染水の処理だけみても、志位委員長が記者会見で述べたように「科学的英知を結集して打開と解決を図らなければなりません」ですし、さらに、これから4号機の燃料棒を取り出す作業にしても、これ自体が非常に危険で困難な作業です。1、2、3号機には、高線量で近寄ることさえできないのです。

「事故収束、廃炉の仕事は、福島の再生のために国の総力をあげてやっていくべき大仕事だ」と志位委員長が会見で強調しましたが、私たちは今回の視察であらためてそれを実感してきました。

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                   【地元マスコミのインタビューを受け、現地で記者会見する志位委員長】

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                     【広野町でホールボディカウンターを視察前と後の2回受けた施設の前で】

 

 

 

 

きょうから常任委員会審議~グループ補助金は、来年度から津波・被災地限定に

8057昨日までで本会議場での一般質問が終わり、きょう8日から常任委員会の審議が始まりました。きょうは、2月補正・整理予算関係の審議でした。

商工労働部審査で、私はグループ補助金について、今年度の1年間の申請と採択状況について質問。被災3県の中で福島県は、原発事故を受けて募集そのものが遅れました。

第1次の2011年9月~第6次①の2012年11月分の交付決定状況が示されました。県のまとめによれば、この約1年間の合計で、370グループ、3,794件の申請に対し、164グループ、2,136件の認定となり、は1,518億円の補助金申請に対し、659億円の決定でした。

安倍政権は、このグループ補助金を来年度からは県内全域から「津波被災地・原発避難区域」に限定する方針を示しています。そのため、県は2月の募集を中通りや会津地方への優先募集に切り替えざるをえなくなったのです。しかし、地域を限定しないで継続を要望する声が県内からあがっています。

国は、中小企業向けのこうした資金補助金をはじめ、避難者への支援でも、東電の賠償でも、さまざま支援打ち切りを行い、県民へのあらたな分断を持ち込もうとしています。しかし、福島県民がおかれている状況は、まもなく3年目に入る今もほとんど変わっていません。それどころか、いまだに約16万人弱の避難者がふるさとに戻れずにいるのです。ぜひ、国には福島県のこの現状を知って対応してほしいと思います。

ところで、明日9日、党県議団は志位和夫委員長はじめ国会議員とともに、事故原発後初めて東電の福島第一原発を現地視察する予定です。