7日、4年間の任期最後の9月県議会の最終日を迎えました。採決に先立ち、阿部裕美子県議が知事提出議案と意見書・請願に対する討論、宮川県議が14年度決算の討論を行いました。
9月補正予算にマイナンバーの導入に伴う税務システム機器予算が計上されています。マイナンバーの中止を求めて反対の意見を述べました。
安倍政権は、10月5日から本人へ12桁の番号を通知し、来年1月から実施するとしています。医療保険や雇用保険などの社会保障、確定申告など税分野、被災者生活支援金などの災害対策の手続きに使用されます。また、新たに預貯金口座や特定健診などに利用することが施行前に拡大されました。しかし、今年発覚した年金情報の流出やなりすまし被害がすでに出ているのです。
そもそも日本のマイナンバー制度は、「全員強制・生涯不変、官民共通利用」という、他のG8諸国にはない危険性が高い制度です。
アメリカでは年間900万件を超える共通番号関連のなりすまし犯罪が起こり、国防総省は11年、独自の限定番号に転換。
イギリスでは、労働党政権下の06年に国民IDカード法が成立し、ID登録簿を作成するとしていたのですが、10年に誕生した保守・自民両党連立政権が「恒常的な人権侵害装置」とし廃止、収集した個人データは廃棄しました。他の国で見直しが行われているとんでもない制度と指摘し、中止を国に求めるべきと討論。
一方、宮川県議は、昨年度の普通会計と企業会計決算に反対の立場から討論。まず、原発問題では、他県の原発再稼働する安倍政権に物言えない県の姿勢が、第2原発の再稼働を否定すらしない東電・国の態度に表れていると厳しく指摘。
普通会計決算は、復興予算が大幅に増えているのに他県からの応援はあっても県職員の増員はなく、精神疾患などの病休や超過勤務が多かった。自主避難者への支援も不十分だったと指摘。
地域開発事業の企業会計決算については、累積欠損金が186億円にも膨れ上がったが、その主な原因は工業の森新白河B工区の工業用地を三菱ガス化学に原価割れで販売したことによるものと指摘。
これまでの大企業誘致の呼び込み方式を見直し、中小企業や農業などの地場産業や福祉施設を支援し、雇用や地域経済に波及効果が高い内発型に転換すべきと述べ討論しました。
このあと、議案や意見書・請願の採決が行われ、わが党紹介の九州電力川内原発の再稼働に対し、運転の即時停止を求める意見書や特養ホームの増設、学校給食無料化を求める請願について、自民・公明・民主・社民が反対し否決しました。
また、継続議案の教育関係の意見書8件、若者雇用1件、医療・福祉3件についてもすべて否決しました。