28~29日は、県議会の一般質問です。きょうは、」宮本しづえ県議が登壇し、避難解除の在り方と避難者支援について、旧緊急時避難解除準備区域の被災者支援について、牧草地の除染に伴う家畜への影響や、賠償、除染、国保広域化、後期高齢者医療、子育て支援など、8項目について質問。
今も、原発事故によって9万人以上もの避難者がいます。しかし、昨年9月に解除した楢葉町は7.2%しか帰還せず、すでに2012年に解除されている広野町でも6割程度です。今月12日には葛尾村が、14日には川内村が解除され、来年3月までに南相馬市や飯館村が解除を決定しています。宮本県議は、「どの住民説明会でも時期尚早との声があがっている」と指摘し、県が調整の役割を果たすよう知事に質問。
知事は、「除染やインフラの整備、生活関連サービスの復旧等は進んでいる」、「解除は、真の復興に向けた第一歩」との認識を示し、再々の追及にも「避難解除はゴールではない。復興に向けたスタート」だと答弁しました。
県は、旧緊急時避難準備区域の川内村、広野町、南相馬市、田村市都路地区の4市町村に対し、一律5億円ずつの早期帰還・生活再建支援金を交付しています。これは、精神的賠償がすでに打ち切られている30km圏内の川内村等の避難者に、何らかの生活支援をと私たち共産党が再々求めてきた交付金でもあります。ただし、現金給付はダメとしていることなど使途や金額などに差があることから質問。きょうは、川内村の議員のみなさんが傍聴に来ていました。県は、現金給付は認めなかったものの、「住民にとってできるだけ使い勝手のよいものとなるよう、市町村と共に取り組んでいく」と答弁。
一方、旧緊急時避難区域の荒廃家屋の解体と仮設住宅の供与延長を求めましたが、県は考えを変えませんでした。
さらに、宮本県議は原発事故後、牛が出産後に立てなくなり死亡する事例が相次いでいることについて質問。これは、牧草地の除染によって過カリウム土壌となり、カルシウム不足が生じたことよる影響と考えられると指摘し、まず、農家や獣医師等からの聞き取りを全県的に行うこと。牧草の成分分析や牛の血液検査を農家負担なしで行うこと。あわせて、死亡牛の多発で窮地に立つ酪農家への経営支援等を求めました。
県は、全酪農家346戸に対する聞き取り調査を始めていること。農家負担なしでの検査は6市町村で実施されているが、さらに未実施の市町村には制度の周知を図っていくと答弁しました。