昨年暮れも押しつまった年末、広野町で原発事故後も避難せず唯一診療を継続して奮闘していた高野病院院長の高野英男さん(81歳)が、病院敷地内にあった木造家屋の一部から30日夜出火し、遺体で発見されるという痛ましいニュースが飛び込んできました。
高野病院は、原発から22kmのところにあります。高齢の入院患者を抱えているため避難をしないで診療を続け、また復旧作業員や除染、原発労働者などの救急医療なども受け入れて奮闘してきたのです。この病院からは、県に対し医師不足のため医師に派遣け病床増の要望が再三にわたり要請されていましたが、県は民間病院だから、また病床過剰地域だからなどとしてなかなか応じてきませんでした。
私たちは、こうした要望を直接病院から聴き取り、私も昨年2月の代表質問で取り上げ、高野病院を含めて双葉地域の医療体制の強化を図るよう求め、その後も機会ある度に県議会で質してきたところでした。
院長の死を受けて、常勤医師がいなくなり非常勤医師だけでは存続も危ぶまれることから、町や県、医師会が検討。年が明けて、ようやく広野町長が支援と対策と支援を図ると記者会見で発表。県も昨日の定例知事会見で支援をすると表明しました。あまりにも遅すぎる県の対応です。