県立高校の統廃合計画と選別化を見直すよう求め、県教委と交渉


党県議団の2月県政報告。

22日、県教委が今年2/8に発表した「県立高校の前期統廃合計画」について、当該高校の保護者や学校関係者、地域住民からも驚きの声が上がっていることから、共産党県議団と地方議員団は、県教委の高校改革室と県交渉しました。約30人が参加しました。

県教委は、2019~2023年度までの県立学校等前期実施計画で、➀25校を13校へ再編する、②「特色化」という名で6つの学校群に序列化・選別化に区分けする、というものです。
県教委の柳沼高校改革室長に対し、県議団は私神山と地方議員団は村山福島市議が「県立高校統廃合と選別化に関する要望書」を手渡し、➀学校関係者や地域住民や自治体の意見を尊重し、一方的な計画の押し付けを行わないこと。②住民説明会を地域住民が自由に参加できるものとし周知すること。出された意見を尊重し計画に反映させること、③県立高校においても30人学級を実施すること。④特色化の名で高校を序列化することは、子どもたちの差別化につながることから行わないこと、の4点です。交渉では、県内各地から怒りと見直しを求める発言が相次ぎました。

●県北地区の新地町の井上議員は、津波被害を受け復興に向 かっている中、突然の新地高校がなくなり相馬東に統合されることに関係者は驚いている。全町民への合同説明会を開き説明してほしい。
●県南地区の塙町の高縁議員は、2年前に議会で質問したら町や議会、住民の反響が大きく、今年4月2日に過疎・中山間地の塙工業高校の存続を求め1万1,000人超の署名を県教委に提出した。地元の企業に就職し歓迎されている。
●会津地方の喜多方市の矢吹市議は、喜多方東高校をなくし喜多方高校へ統合される。耶麻農業高校を会津農林高校に統廃合するが、2~3回の電車とバスを乗り継がないと通学できない。南会津高校をなくし田島高校へ統合するが50kmも離れているし雪も多い。通学できないのが分かっているのに、どう対応するつもりか。
●県中地区の須賀川の丸本市議は、長沼高を須賀川高へ統合するというが、地域でつくってきた伝統校であり地元から4割も通学している。
●県北地区の伊達市の近藤市議は、梁川高を保原高へ統合し、また、保原高の定時制と福島中央高を統合し夕間部を設置するというが、夜間部をなくせばアルバイトができなくなる。不登校だったが、定時制を卒業し地元に就職できた生徒がいる。福祉の観点が必要だ。
●県北地区の二本松市の菅野市議は、安達東高校が二本松工業高校へ統合するというが農業高校を無くしていいのか。福島大学に新設される農学類に推薦枠で決まった生徒もいる。農業なら福島明成高校というが遠い。
●いわき地区は、遠野高校が湯本高校に統合されるが、遠野では高校がなくなればバスもなくなる。存続を求める署名が提出された。いわき海星高が小名浜高に統合するが、実習は国道を超えて海星高でするのというのは問題。

この他、保護者や元高校教師からも、周辺高校は不登校や発達障害などの特別支援学級の生徒が、少人数学級で学び直し、自信を取り戻して地元に就職するなど大切な役割を果たしている。ところが、すでに分校が廃止された小野高校蓬田校は、20~30人からいきなり40人学級に入ったこうした子どもたちは、ついて行けなくなり退学に追い込まれている。また、特別支援学級の子どもが増えているのに特別支援学校を今後新設しても不足する。同時に検討すべきとの意見が出されるなど、課題と矛盾がいっそう鮮明になりました。
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翌日23日、喜多方高校で初めての公開の説明会が開催されました。