9日、5人の県議団は、学者、研究者、弁護士、住民運動の代表者らと共に、東京電力福島第一原発を視察しました。
毎年この時期に福島第一原発を視察していますが、今回は、安斎育郎さんや野口邦和さん、館野淳さん、早川篤雄原発県連代表など、原発関係の科学者や研究者などの豪華メンバーが参加しました。
J・ヴィレッジで昼食後、概要説明を受け、ここから東電のバスに乗り換えて6号線を北上し、約40分かけて東電第一原発へ。
重要免震棟内で、小野第一原発所長から挨拶を受け、凍土壁の現状や津波対策などについて質疑応答。このあと、私が視察団を代表し挨拶。
私は、原発事故から5年3ヶ月になるが、この間困難な中での廃炉・復旧の取組みに対し感謝を述べるとともに、汚染水漏れやトラブルが報道されるたびに県民は不安になる。しかし、原発の廃炉作業がすすまなければ県民の復興もあり得ないと述べ、情報は隠さず県民に明らかにするとともに、みなさんから要望があれば率直に県や国にあげてほしいと挨拶。
敷地内で一番空間線量が高いのは、1~2号機の間にある排気塔で、毎時1,574.1マイクロシーベルト。パネルでボタンを押すと表示されるボードが設置されていました。このあと、アルプスに入るため全面タイベックスとマスクを着用し、専用バスに乗って敷地内を視察。汚染水を処理する多核種除去設備(アルプス)は、バスから降りて構内を視察しました。汚染水対策は、凍土壁工事が進んだものの、現在6カ所の未凍結部分があるため、セメント系の薬剤を注入する補助工事に取り掛かったこと。また、原子炉建屋の海側にある地下水ドレイン(井戸)から汲み上げた汚染水の塩分などを除去する「RO装置」を設置すると、この日の廃炉・汚染水対策現地調整会議で示したようです。視察後J・ヴィレッジに戻り、石崎芳行復興本社代表が挨拶。質疑応答では、防潮堤高さのあり方、事故の教訓を生かしていくため科学者も協力していきたい。労働者の被曝を作業部部署ごとに、集団ごとのデータをとりアクセスする方法や、汚染水対策、トリチウム問題について質問。
また、そもそも、原発事故がなぜ起きたのか。2005年以降、チリ級津波への対策を求めてきたが、事故後も根本的に言及されたことはないとの厳しい指摘も。私からも、これら出された意見をふまえて真摯な対応をと求めました。