3/20、2月定例県議会の最終日を迎え、党県議団を代表し、知事提出議案と議員提出議案の意見書・請願について討論しました。
知事提出議案については、2019年度県一般会計予算案、港湾と国保特別会計予算案や県の建設事業に市町村負担を求める議案、消費税増税に伴う県の手数料・使用料を引き上げ37件の条例改正案には反対の立場で討論。また、議員提出の意見書・請願は、10月からの消費税率10%増税中止を求める意見書、「米軍基地負担に関する提言」の推進を求める意見書、憲法9条の改定に反対する意見書は可決・採択すべきと討論しました。
大震災・原発事故から丸8年が経過し、本県の復興のあり方が大きく問われています。2019年度当初予算は、復興・創生分6,001億円を含む1兆4,603億円が計上されました。県民要望を受けて、児童虐待対応の県中児相の一時保護所との一体整備予算、中途失明者への歩行訓練士の配置、特別支援学校教室へのエアコン設置、災住宅用太陽光発電の蓄電池補助や災害対応の河川整備費増などは評価できます。
しかし、消費税増税や憲法9条改憲、原発再稼動など、悪政を強める安倍政権と一体に県政運営を進める県は、新年度予算もその立場から編成しています。県は、被災者に寄り添うどころか避難者への住宅無償提供を次々と打ち切っています。原発避難者は約4万1,000人(県内に9,000人弱、県外に3万2,000人)、避難指示が解除されても居住率は23%程度です。双葉郡8町村の児童生徒数は震災前の8%程度に過ぎず、川俣町山木屋の小学校は今年4月から休校します。復災害関連死2,271人、災害自殺者103人となり、復興公営住宅や帰還者は大半が高齢者です。「人間の復興」なければ、真の復興とは言えないと批判しました。
その一方で、県は浜通りの復興として福島イノベーション・コースト構想に、今年度の700億円を上回る912億円を計上。200億円増の主なものはイノベ地域の拠点施設へのアクセス道路整備費です。南相馬市の工業団地に総額156億円もかけるロボットテストフィールドは新年度中に整備しますが、地元原町商工会議所のアンケートで「復興に役立つ」と答えたのは3%だけ。今年2月の中小企業家同友会との懇談会でも全く同様の意見が出されています。農業圃場整備などハード事業に400億円超の予算を投入したが農業再開は進まず、農業被害が続くイノシシ新管理計画も減少は望めないと指摘。さらに、水素燃料電池車FCVなどの水素エネルギー普及拡大に約4億5,000万円、地球温暖化対策に逆行する石炭ガス化複合発電IGCCを2基建設し、そこで使用する石炭増のための小名浜港東港地区整備は新年度142億円を計上。いずれも中止を求めました。
しかし、県民から求められているのは医療・福祉・教育の充実と予算の拡充です。県の復興ビジョンの「子育て日本一の県」、「全国に誇れる健康長寿の県」をめざすこと。国保について、県は県民1人当たり平均約6,000円の値上げになると試算していますが、最終市町村の6月議会で決められます。協会けんぽ並みに引き下げるため国に1兆円の国庫負担を求め、子どもの均等割の廃止を県が実施すること。さらに、県教委が、4月から県独自の学力テスト実施と、県立高校の統廃合計画と同時に県立学校を選別化しランク付けを行う方針を示したことは、本県の教育を大きく歪めるものと批判。教職員の多忙化解消、正教員の増員、教育予算の大幅拡充と、市町村で進む学校給食費無償化を県が実施すべきと求めました。