市内赤木町にお住まいの画家廣長威彦(ひろながたけひこ)さんの絵画展へ行ってきました。郡山市駅ビルのビッグアイで5/18~22日までだったので、きょう最終日にようやく足を運ぶことができました。
廣長さんは、1960年から岐阜と富山両県の山狭にある合掌造り民家の油彩画写生の行脚をスタートさせています。これを原点に、以来50年にわたって時代とともに急速に減っていく民家を追い求め、油彩からスケッチ取材に重点を移しながら全国を東奔西走。
これが後年、版画制作へとつながり、スケッチと合わせた絵画展を各地で開催してこられました。昨年、油彩画50年を迎えられたこともあって、今回はこれまでほとんど未発表のもの50点を展示しました。
私が初めてお会いしてから10数年、私はこれまで版画家だとの印象でした。もちろん油絵を見せていただいたことはあったのですが、もともとは油彩画家だったとあらためてわかりました。
3/11という日は、大地震を自ら体験され(幸い自宅は無事)、続く津波、そして原発事故、そして遠い昔にはわが師と思える画家と初めて出会った高校時代、そのちょうど5年後にその画家が急逝。廣長さんは、3/11にはそんな思いがあることを明かしてくれました。
50年と一口でいうのは簡単ですが、1960年から今日までの時代を見つめた油絵をみると、筆づかいの微妙な変化とともにその時代、時代に訴えてこられたメッセージも伝わってくるようです。まさに、50年間の重みです。
今回の絵画展のテーマの「原点回帰」は、今の私たちにも当てはまるのではないか、そんなメッセージを受け取った気がします。