23日、党国会議員の笠井亮衆院議員と市田室、田村室の秘書らが、国直轄の除染事業を請負った鹿島など大手大手ゼネコンが、不適正な除染を行ない、危険手当を含めた労賃の未払いなどが報道された問題の調査で来県し、環境省出先の福島環境再生事務所と福島労働局、県当局、除染作業員などから聞き取りを行い、県議団も同行しました。
環境再生事務所の除染推進チームの森谷チーム長は、元請けと下請けとは民民のことなどと述べたので、私たちは、国が除染のモデルになるべきなのに、今回のようなずさんなやり方をされては、市町村の除染作業にも影響が及ぶと指摘。
除染は必要であり、除染をしなければ県内外に避難している県民も戻ってこれないし、ここにも住み続けることもできなくなること。元請のゼネコンへの指導はもちろんだが、それにとどまらず下請けを含め末端の作業員の安全と危険手当を含めた賃金の支払いまでの監視体制を強化するよう求めました。笠井衆院議員は、国会の委員会でも取り上げていくことを表明しました。
【環境省福島環境再生事務所では、森谷福島除染推進チーム長(右真ん中)が応対】
福島労働局では、労働安全や安全衛生違反事例が219件あり、違反事業者数は108事業者、違反率45%であることをあらためて示しました。笠井議員が「45%は高い数字なのか」と聞くと、「建設関係の違反は通常でもだいたいこれくらいある」と答弁。これにはびっくりです。
建設業界そのものがこうした構造で働かせていること、さらに、今回の除染労働者も原発労働者と同じく何重もの下請け構造でピンハネされ、危険な場所でひどい働かせ方を強いられています。
除染作業について、環境省は「特殊勤務手当て(危険手当)1万円+労賃」としていますが、これまで1万5,500円の賃金を受けとっていた作業員が、「危険手当1万円」の支給を厳しく指導されると、今度は日当は5,500円とし、賃金総額は変えないというのが現場労働者の声です。しかも15、500円より少ない賃金の作業員も少なくありません。これでは、福島県の最低賃金664円を下回ります。
環境省は、危険手当と日当を含めた賃金を指導するとともに、除染作業の放射線障害防止対策のためにつくった「除染電離則」を、現場作業員まで徹底する必要があります。