10日、原発訴訟栽判の中で最も多い約3,800人(8割は避難区域外)の原告団を抱える「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)の判決が、福島地裁で下りました。岩渕友参院議員が、きょう公示された衆院選福島1区の金子恵美候補の第一声に駆け付け激励挨拶のあと、生業訴訟原告団のデモ行進に参加しました。
判決は、今年3月17日の前橋地裁判決に続き、国の法的責任と東京電力の過失を認め断罪。金沢裁判長は、2002年の長期評価は専門的な研究者の間では正当な見解と評価し、福島第1原発の敷地高さを超す15.7mの津波を予見できたと国を断罪したのです。さらに、被害者救済では原賠審の「中間指針」の対象地域を拡大し、かつ既払いの賠償金上積みを認めるとしました。これら2点で、ほぼ全面勝利といえる判決です。
福島地裁前には、原告団のみなさんが大勢でつめかけ、午後2時すぎに勝利判決が決まると、コールをしていた服部さんが「勝ったぞ~」と呼びかけ、参加者たちから大きな歓声が沸き上がり、笑顔と拍手で応えました。私も思わず涙がこぼれましたが、本当にうれしい結果です。
被害者救済では、平穏生活権侵害による慰謝料については原告約3,800人のうち約2,900人の請求を認めた金沢裁判長が約5億円の支払いを国・東電に求めた一方で、放射性物質による平穏生活権侵害となるか否かについては却下。また、帰還が困難となった原告らが求めていた「ふるさと喪失慰謝料」も却下しました。
しかし、原告団・弁護団は声明で、①国の責任と東電の過失については、「安全よりも・・弁護経済的利益を優先する『安全神話』に浸ってきた国の原子力行政と東京電力の怠りを法的に違法とした」こと。
②被害救済の範囲と水準については、「原告ら被害者に対する権利侵害を認め、賠償の対象地域の拡大や賠償水準の上積みを認めた点は、原告らのみにとどまらず広く被害者の救済を図るという意味においては一歩前進と評価することができる」との見解を発表しました。
これまで、原告団を支援して頂いた弁護団と全国のみなさんに心から感謝申し上げます。そして、不十分な点は残っていますので、今後も国・東電には様々な形でたたかいを進めていく必要があります。引き続きのご支援をお願い致します。