全国への「緊急事態宣言」が4/16夜に初めて発令された週末の18日、郡山市磐梯熱海温泉のホテル「華の湯」を市議団の2人と共に訪ね、菅野豊社長と新型コロナによる影響について懇談しました。
週末を迎えた温泉街に入ると、ひっそりとして人影は全く見えません。どのホテル・旅館も駐車場はガランとして、カーテンも閉まっています。ホテル「華の湯」のロビーも奥の部屋に通じる通路は暗く、通された部屋だけが明るい状態でした。
迎えて頂いた菅野社長も「週末のホテルとは思えないでしょう」と。さっそく懇談に入ると、「東日本大震災以降1日も休まずに来たが、今回のコロナ問題ではとうとう休業せざるをえなくなった。約250人の従業員も休ませたが、雇用調整金の1日8,330円よりも高い給料なので、その分の負担は重く、しかもいつ終息するのかもわからない」と。
資金繰りの対策では、「県も国も融資・貸付をいうが、借りたものは返さなくてはならない。支援してほしいのは「真水」です。つまり純粋の営業損失補償の現金を出してほしい。これをぜひ国会や県に要望してほしい」と強調されました。「この支援がなければ、市内でも倒産する旅館・ホテルが出るのは必至の状況」と述べ、すでに予約は、国の宣言以降全てキャンセルになり、5月までキャンセルが出ている。今後も長期化するとなるが、立ち直るまでにさらに1年以上かかると。
民間の金融機関も貸付を行うとなり、これまでの貸付金の返済分はいったん延長されるとなったが、「ホテルの場合、数千万円の単位というよりも数億円単位の融資を受けられなければ回っていかない。今回、国民政策金融公庫に融資の申し込みに行ったら、支店で決済できる金額はこれくらいと値切られ、最終的にはさらに融資を減らされたが、どうも全国どの支店も同じ手法で融資を減額しているらしい。やはり金融機関なので、政府が言うように簡単には融資をしてくれない」とも。
原発事故の際には、東北や全国からの応援があり、また、避難者を旅館・ホテルで受け入れたこともあり、なんとか営業を続けられた。また、損害賠償も旅館・ホテル衛生同業者組合の理事など役員みんなで知恵を出し合い、自分たちで賠償金の請求を東京電力と何度も交渉しながら見直しもさせて営業を守ってきた。
政府が進める海外からのインバウンドに頼らず、これまでやってきた国内や県内旅行客をこれからも大切にしていきたい。しかし、今回は全国どこでも同じ。国が営業の自粛を求めるなら、原発事故の時のように営業損害賠償を国または県が「真水」を支出して支えるべきとも。
私たちからも、これは当然の要求であり、この現状を国会議員にも伝えるとともに、県にも要望していきたいと応えました。菅野社長は、「ぜひ、みなさんのように、現場を国も県もみてほしい。現場にくれば現状がよくわかるはず」と強調されました。