27日、午前11時53分ごろ、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山が噴火しました。28日夜9時の報道では31人が心肺停止状態としています。
あらためて、自然災害の脅威と、やはり日本は地震と火山の国だと認識させられました。28日夜に記者会見した火山噴火予知連絡会の専門家は、「火山の予知は困難」と会見で述べています。
ひるがえって、九州電力の川内原発の再稼働を原子力規制委員会がゴーサインを出しましたが、この時も地震学会が「我々に予知できないのに、なせ規制委員会が予知できるというのか」と批判していたはずです。
九州電力の川内原発から半径160km圏内には、複数のカルデラ火山があり、もし噴火すれば火砕流到達距離が100kmを超えるとされ、高温の火砕流が原発に到達すれば重大事故を起すのは必至です。
その規制委員会で厳格な審査を行ってきた島崎邦彦委員長代理が再任されず、安倍政権は原発推進派の田中知氏が起用しました。川内原発の避難計画も問題ありと指摘されているのです。
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一方、27日の赤旗報道によれば、使用済み核燃料や再処理後の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)に関して、日本学術会議は、「暫定的に保管する施設の建設は、原発で利益を得てきた電力会社が負うべき」、「使用済み核燃料を保管する施設の確保を再稼働の前提条件とすべき」との報告書を25日にまとめたとのこと。
学術会議は、独立した内閣府の「特別機関」で、「わが国の科学者の内外に対する代表機関」として政府に勧告する権限を持っていますから、この報告書は重く受け止めるべきです。
安倍政権は、火山噴火予知連や日本学術会議の専門家の指摘に対し、真摯に耳を傾け、九州電力の川内原発再稼働のはもちろん、全国の原発再稼働は中止すること。これは、未曽有の原発事故を受けた福島からの声でもあります。