県教育委員会の審査が14日に行われ、12月補正予算には、県立学校のブロック塀に代わるフェンス設置費用が計上されるとともに、県立学校の全ての普通教室にエアコンを整備するための経費約9億円が計上されました。これは、共産党県議団が県立高校のエアコンをPTA負担でなく県費で整備するよう求め、知事が今年の猛暑を受けてようやく9月県議会の冒頭に表明していたものです。
今回の補正予算で、県立高校95校全ての普通教室にエアコンを整備すると共に、特別支援学校40校のうち10校分の設計費も計上したと説明。つまり、県立高校には来年夏頃までに全て整備する予定ですが、県立特別支援学校は、1年遅れの再来年夏までに整備する方針です。残りの特別支援学校の設計費と整備費については、来年2月県議会に計上すると説明。
県教委は、音に敏感な児童生徒がいるため時間をかけて整備するためと説明しましたが、体温調節が難しい子どもたちがいる特別支援学校こそ早期に整備すべきではなかったかと指摘。他党議員からも保健室や図書室への設置状況について質問があり、私は今後は災害時の避難所となる体育館へのエアコン設置と職員室にも設置が必要と求めました。
また、県教委は、来年4月から新たな県の学力テストに約7,000万円の予算を投じ、東京の業者に委託して小4~中2まで算数・数学と国語の学力調査を行うとし、先行して実施している埼玉県教委と12/25に連携協定を締結すると説明。今後は、学力向上策に関する研修を合同で実施する方針です。県の学力テストは来年4/11、全国学力テストは4/18に実施します。新学期がスタートしたばかりのこの時期に、2つの学力テストを実施することは、子どもたちへの負担と教職員の多忙化を招くだけと指摘。
教職員の多忙化解消に関して質問。現在の県内小学校は平均週28コマ(6校時が3日、5校時が2日)、中学校は週29コマ(6校時が4日、5校時が1日)と答弁。共産党の教職員の多忙化解消の提言では、1日4コマ・週20時間をめざして国の教職員定数改善で教員増が必要と紹介しましたが、これだけの差がありました。
県立高校の統廃合については、来年度から10年間計画で実施し、前期の5年間で地域や保護者、学校関係者とも協議しながら実施していきたいと答弁。統廃合する校名は、年2月県議会に具体的に示すとしています。高校統廃合は、拙速に進めるべきでないと求めました。
一方、県教委は、県立高校改革をすすめる中で、会津学鳳中学校・高校、ふたば未来学園に続き、中通り地方に進学に重点を置いた中高一貫校の新設を検討していると表明しました。
「福島県郡山の自然の家」を初めて指定管理者に委託する議案が提案されました。これを受けるのは、新潟市の総合学園です。すでに郡山市の青少年会館や西部サッカー場などを指定管理者で受けているとはいえ、なぜ県外の事業者なのか。そもそも教育施設は、県が直営で管理すべきで指定管理者制度にはなじまないと、私たち党県議団は反対を表明してきました。18日の採決委員会で、この議案には反対しました。
また、意見書や請願に対しては、「義務教育費国庫負担を2分の1に戻す意見書」を県民連合とともに賛成しましたが、自民多数で否決。
ところが、ゆき届いた教育署名実行委からの「高校授業料就学支援金の延長・拡充を求める意見書」と新婦人からの「県学力テスト中止を求める請願」については、共産党のみの賛成で、自民・県民連合の反対で不採択とされました。