30日、新婦人郡山支部は、新婦人創立50周年記念フェスタを開催しました。
会場には、いわさきちひろの複製画も展示され、午前中はいわさきちひろ美術館の学芸員の山田実穂さんによる「ちひろの平和への思い」の講演会。山田さんは、実は福島市出身です。
いわさきちひろの絵は、赤ちゃんや子どものかわいい表情の水彩画が特徴ですが、戦火で逃げまどい暗く厳しい表情の子どもや、うつろな瞳をもつ子どもを描いています。
また、原爆が投下された広島の絵本では、その直前まで遊んでいたであろう日常の子どもたちを描くことで、逆に戦争の悲惨さを表したこと。
ちひろは、戦争中の子どもたちを描いた時、実は何度も何度も逡巡したようで、消しゴムで消して線を引き直し紙がこすれてしまっているのが、原画でははっきりみてとれるそうです。
1965年から始まったベトナム戦争では、ベトナムの子どもたちに思いをはせ、ちひろ自らが体験した第二次世界大戦と重ね合わせながら「戦火の中の子どもたち」を描き、初めて母と子も描いたこと。
しかし、ちひろはこの絵本を描き始めた頃に体調を崩し、1974年55歳、原発性肝ガンのため死去しました。
震災・原発事故を受けてしまってから聞いたちひろの言葉は、これまで以上に心に沁みるものでした。
「ちひろと福島」ーーこんな展開が一本の☎から実現して、広がりこんなうれしいことはありません。ちひろ美術館が被災地支援でできることは何だろうと福島出身の山田実穂さんから私の元に☎がありました。折しも今年は新婦人創立50周年。「ちひろのことを学芸員の山田さんが語って複製画展もやれるならこんなよいことはない」とお願いしたものでした。5月、福島のフェスタでやったらなんとも感動的!!あーあもったいない!と思ったのでした。実穂さんの話も分かり易く、ちひろと善明さんのこともよく伝わりました。郡山での感想はどうだったでしょうか。広がってとても嬉しく思います。こういうコーナーがあってありがとうございました。 福島市/渡部保子