【4/9付け赤旗~8日の衆院原子力問題調査特別委員会で、黒川元委員長参考人も「事故は収束していない」と】
3/18に東京電力福島第一原発の停電によって使用済み燃料プールなどの約3時間も重要機器が冷却ができなくなった原因は、仮設電源盤にネズミが進入しショートしたことによるものでした。規定の温度上昇まで4日間の余裕があるとしていましたが、復旧には29時間もかかりました。
「まさか、ネズミがショートさせるなんて。また東電はごまかしているのでは?」との声が私たちにも結構寄せられていますが、3/23付けの赤旗で報道したように、実際にある工場で過去にネズミ入りショートし停電した事例はあったそうです。東電委託先の財団がこれを紹介し、以前から広報誌で「ネズミの事故は人災」と指摘し対策をよびかけていたそうです。
東電は、第一原発の屋外に止めてあるトラックの荷台に、仮設の配電盤が入っている金属製の箱が置かれ、その箱には上下5個ずつの窓があり、「ケーブルを引き込む関係で、下の窓には完全に閉まりきっていない部分がある」と、小動物が侵入する余地があることを認めています。
しかも4/5、今度はそのネズミ対策の工事で配電盤が地絡を起こし、3号機の使用済み燃料プールの冷却が3時間も停止するというトラブルが発生しました。
さらに、地下貯水槽から約120トンもの放射能を含む(セシウムを除去したあとの)汚染水が漏れ、総量で7100億ベクレルという過去最大の放射能量が漏れていたことを発見したと発表しましたが、今度も発見から2日遅れの4/5深夜でした。
ところが、4/7の東電の記者会見では、7100億ベクレルと発表した数値に誤りがあったとされ、実際には49倍の「約35兆ベクレル」というとんでもない数値に跳ね上がることになりそうです。
この2年間、屋外のトラックに仮設の配電盤を設置していることといい、これまでも劣化した汚染水のホースに草が刺さり漏水していたことも度々で、そもそも仮設での汚染水処理そのものが問題で、国は抜本的に計画を見直すべきです。その上、トラブルの公表が遅い。ネズミによる停電は3時間後で、今度の地下高濃度汚染水漏れは2日後でした。
数値の誤りといい、公表の遅れといい、東電の体質は変わっていないこと、事故も「収束」などしていないのは明らかです。東電まかせにせず、国が厳しい監視と指導を貫くべきです。それがなければ、双葉地域に帰還などできませんし、県民も安心して住み続けられません。
福島県の内堀副知事は8日、経済産業省にも要望したほか、原子力規制委員会を訪問し、国の監視体制の強化を求める佐藤雄平知事名の緊急要望書を田中俊一委員長へ手渡しました。