商労文教委員会の県外視察で長野、愛知、静岡へ/飯田市の再生可能エネルギーの地域発電を調査

27~29日、県議会の商労文教委員会の県外視察で長野、愛知、静岡の3県を訪問。

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【飯田市のおひさま進歩エネルギー(株)、おひさまエネルギーファンド(株)の原社長】

長野県飯田市は、10年前から地域ぐるみで地球環境保全活動にとりくみ、07年には環境文化都市宣言を行ない、09年には環境モデル都市の認定を受けるなど先駆的なとりくみをしています。

27日は、飯田市役所内で、地域市民のエネルギー会社「おひさま進歩エネルギー(株)」と、「おひさまエネルギーファンド(株)」という市民ファンドを立ち上げた原社長から説明を受けました。

この会社は、省エネルギー事業を前提に、市と連携して160以上の保育園や学校などの公共施設や事業所の屋根を借りて「太陽光市民共同発電事業」を展開。ちなみに、「地産地消の発電」を提唱したのは、この会社が初めてとのこと。

飯田市は、こうした市民共同の再生可能エネルギーと連携しているほか、産業界とも連携し、太陽光パネル工場に続き太陽電池セル工場も増設。豊富な森林資源を生かし、小中学校のストーブや公共施設のボイラーに木質ペレットを利用するなど、地域ぐるみで経済を環境の好循環を生み出しています。

また、飯田市は、地域の再生可能エネルギー資源を住民が優先的に利用できる「地域環境権」を市長が保障するというユニークな条例を今年3月に交付し、4月から施行。福島県は、再生可能エネルギーの魁の地を提唱しているのですから、こうした地域主導の再生可能エネルギーを参考に、もっとスピードをあげてとりくむよう、求めていきたいと思います。

28日は、愛知県立時習館高校へ。この県立高校は進学校ですが、校長の熱意ある取り組みで県立高校にしてはユニークな取り組みで理数教育とグローバル人材の育成をすすめています。しかし、知識偏重ではなく、生徒たち自身が「何のために学ぶのか」を考えさせる教育をしている点に共感しました。

もともと愛知県は、アジアの国の高校との姉妹校をすすめてきていますが、時習館高校は、さらにイギリスの学力トップクラスの高校と姉妹校を初めて締結。なぜ、ヨーロッパの高校にしたのか。それは、子どもたちを英語の本場、本物の文化にふれさせたいなどが動機だったようです。

英会話力のアップで、生徒の意見表明やコミュニケーション力をつけ、グローバルな人間形成をめざす、そのため英語の授業はすべて英語で行なうとのこと。入学前から中学校へ行って説明しているので、生徒もそれを承知で入学してくるそうです。イギリスの高校生が来校した際、福島の原発被災地のことには興味をもっているとの説明がされたので、私からは、ぜひ現地視察と避難者の生の声を実際に聞く機会をもっていただきたいとお願いしました。

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【副委員長の長尾県議とともに】

29日の静岡県庁では、医療機器産業集積の取り組みと教員不祥事の取り組みを調査。特に、本県でも度々続く教員の不祥事ですが、静岡県教委は、過去の不祥事になった事例の10年間のデータ分析を半年かけて行ない、心理士などの専門家の協力も得ながらその原因をていねいにさぐり、個人的な対策と組織的対策の両面から対策を打ち出しました。その成果は少しずつ出ているようです。

共感できたのは、ていねいな原因分析と、教師が教師として立ち直れるよう支援するとりくみと職場環境をつくっていこうとしていること。これも本県で参考にしていきたい取り組みです。

この取り組みの説明に入る前に、静岡県教委が、本県の原発被災地の浪江や冨岡町などの現地を訪れ、三春町の富岡小中学校の仮校舎も訪問してくれたそうで、そのあたたかさが心に沁み涙がこぼれました。

どの県でも福島からの避難者をあたたく支援していただいていることに、あらためて感謝でいっぱいです。あらためて福島原発被害の特異性を認識し、原発はゼロにする以外にないことも感じてきました。