川俣町山木屋の渡辺はま子さん(当時58歳)が、福島市の避難先から自宅に一時帰宅した際に焼身自殺したのは、2011年7月1日。はま子さんの家族が、「悔しい。東電に謝罪させたい」と東京電力に損害賠償を求めてたたかいを続け、ついに8/26、福島地裁は4,900万円の賠償を東電に命じました。
福島地裁は、自殺に至るはま子さんの心情を汲み取り、「原発事故による避難生活と自殺とには相当因果関係がある」と認めた初めての判決です。「全面勝利といえる判決で、今後の裁判にも大きな影響を与えるもの」と広田次男弁護士は述べています。(写真は、全国公害被害総行動実行委~フクシマ現地実行委のニュースからです)
27日付赤旗も報道し、判決要旨が掲載されていますが、その内容は、まさに原発事故で苦しんでいる避難者と福島県民ならその思いがよくわかる判決文で、大変感動しました。
東電は、これを真摯に受け止め、判決を受け入れるべきです。これを反故にするなどしたら県民の批判は免れません!
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一方、きょう9/1、汚染土壌の中間施設について、知事は、受け入れ地の大熊・双葉両町とともに、国に受け入れることを正式に表明しました。環境省の石原大臣と根本復興大臣に福島で会い伝えました。
また、午後には、東京で安倍首相と会い、受け入るを伝えるとともに、受け入れにあたって5つの確認事項を申し入れた内容が、県議団にも示されました。
知事からの確認事項は、①県外最終処分の法案の成立 ②中間貯蔵施設等に係る交付金等の予算化、自由度 ③国による搬入ルートの維持管理及び周辺対策の明確化 ④施設及び輸送に関する安全性 ⑤県及び大熊町・双葉町との安全協定案の合意の5項目です。
郡山に避難している双葉町の避難者にもこの知事の決断について感想を聞きましたが、複雑な思いはたくさんあるようです。この方は、東電の賠償も今年3月に初めて請求したばかりで、まだ2011年の3月から11月分の請求分しか合意していない。東電もなかなか請求を簡単に認めないで、今後の分については3か月待ちと言っているとのこと。
中間貯蔵施設が建設されたら、故郷はなくなるし墓も土地もなくなる。その賠償交渉は、国と個人でやれといわれたらとても不安だと言っています。
受け入れをしたといっても、3010億円という数字を国が示しただけで、地権者には具体的なものは一切示めされていません。これからが課題山積といえます。
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後日、東京電力は、控訴せずこの判決を受け入れました。そして、自宅を訪問し遺族に謝罪をしました。夫の渡辺さんは、「裁判を闘って良かった。でも妻は戻ってこない」とも。