12月県議会へ、県は住宅無償提供を打ち切った自主避難者に対する明け渡し訴訟5件、調停10件を提案予定

今月10日の政調会で、避難地域復興局の説明によれば、応急仮設住宅の供与が今年3月末に終了し、4月以降も入居している避難者に明け渡しの訴えや調停の申し立てを検討している議案を12月県議会に提出を予定していることがわかりました。

政調会後、担当課から詳しい内容を聴きましたが、「明け渡し」訴訟5件、「調停」申し立て10件、計15件の議案提出を予定しています。

「明け渡し」訴訟5件のうち、3件は建設型仮設住宅入居者で、もう2件は、民間借上住宅の入居者です。明け渡しと共に、4月以降の家賃未払い分も請求するとしていますが、数十万円にもなります。どちらも生活は苦しい状況にあるようです。

一方、9月下旬に独立行政法人高齢者・求職者雇用支援機構は、山形県雇用促進住宅に入居している避難者に、明け渡しを求めています。

また、「調停」の申し立て予定10件のうち、県内は建設型仮設住宅2件、県外は国家公務員宿舎8件とし、4月以降の家賃相当分の納入を求めています。

県によれば、10月20日現在で未退去者は100世帯(県内46世帯、県外54世帯)となっています。県は、9月県議会にも仮設住宅から退去を求める議案が提出されましたが、入居の実態が見られないものでしたが、今回は入居者がいる世帯が含まれています。

しかし、原発事故さえなければ避難せずに済んだはずです。避難先がたまたまこうした公営住宅だったにすぎません。原発事故から6年経ったからと、帰還困難区域を除き避難指示を解除し、今年3月末で住宅無償供与を終了した県・国の姿勢があらためて問われます。