要保護世帯への入学前の学用品費等の支給を、県内54市町村が実施へ

10日の政調会で、これまで県教委に求めていた就学援助・要保護世帯への学用品費等の小中学校入学前支給について、県内59市町村のうち54市町村まで広がっていることが明らかになりました。残りは、被災自治体の5市町村です。100%になるよう支援したいと答弁しました。

来年度入学児童生徒に拡大するのは54のうち42市町村です。今年度中に一気に広がったようです。これは、共産党が国会でも取り上げ実現したものです。今年3月31日付で、文部科学省初等中等教育局長名で各都道府県教育委員会教育長へ通知されています。国は、今年度予算で、新入学児童生徒学用品費等」をはじめ、予算単価等の一部見直しを行いました。さらに、中学校入学前の支給に加え、「学齢児童」に該当しなかった小学校入学前での支給を可能となりました。

なお、これは公立だけでなく国立や私立学校にも適用されます。いっそうの周知徹底が求められます。

12月県議会に向けて政調会/教育長が座間市で犠牲になった本県女子高3年生の件を報告

10日は、各会派による12月県議会に向けた「政調会」が開かれました。当局の説明によれば、12月補正予算の規模は約90億円となる見込みです。12月県議会は、5~19日の予定です。

11日で、東京電力の福島第一原発の事故から6年8ヶ月になりますが、今もトラブルが続いており、しかもその対応の甘さが次々と露呈しています。県が、廃炉安全監視協議会による監視にとどまっているだけでよいのかが問われます。10月10日の「生業訴訟」に対する福島地裁判決は、地震に伴う15mを超える大津波を予見できたにも関わらず、対策を怠った国・東電の法的責任を厳しく断罪したこと。国の責任を認めたのは、前橋判決に続いて2例目です。また、精神的賠償についても、一部不十分な点はあったものの面的にも量的にも国の指針を上回る賠償を認めたと指摘し、生業裁判の判決の受け止めはどうかと県に質しましたが、「判決については答弁しない」との態度です。

しかし、これでは、原発廃炉対策や事故検証、避難者支援、賠償への不十分な応対応を、国・東電に迫ることなどできるのでしょうか。この判決を県政にも生かすべきだと思います。

こうした中で、「米の全量全袋検査」の見直しと縮小の報道がありました。政調会で県農林水産部に質すと、生産者、消費者、流通業界などからアンケートや意見聴取を広く進めていると述べ、安全・安心の観点から、これまで1000万袋、地球一周分となる米袋を検査してきたと強調。経費についても60億円のうち、財源の50億円は東電の賠償、10億円は国からの交付金と説明し、今すぐやめるとはならない旨答弁しました。

国・東電は、この経費を削減したいというのが本音です。しかし、風評対策が今も求められているのですから、米の全量全袋検査は「継続」することこそ生産者や消費者の願いに応える道です。来年1月以降の農林業の賠償方針についても、JAと東電との交渉に県が同席しているのですから、県民や生産者の立場で東電に迫るよう求めました。

また、国保の県へ財政運営の移管についてのパブコメでは2名から詳細な意見が寄せられ、県の医療計画は来年2~3月にまとまる見込みと説明。心のケアセンターが富岡町に設置されます。そして、2011年に県内の精神科では初の「児童・思春期外来」を開設した県立矢吹病院では、発達障害や心の病の患者が増え続けていることから、2022年度に建替えて新病院「こころの医療センター(仮称)」を開設する予定ですが、不足している精神科医の確保を求めました。

ところで、教育長は、冒頭で神奈川県座間市で起きた事件で本県の県立高校3年生が殺害されたことがこの日未明判明したことを報告。福島市在住の須田あかりさん(17歳)です。9人も殺害されたこの凄惨な事件に巻き込まれたことは本当に悲しいことです。事件の背景に何があったのか、SNSへの対応を含めいろいろ考えさせられる問題です。