今月3日、県議団で旧20kmで避難指示区域の葛尾村(かつらおむら)の三春町の仮役場を訪問し、松本允秀(まさひで)村長と懇談しました。金谷(きんたに)副村長と松本総務課長も同席しました。
松本村長は、まず原発事故から3年の現状について「こんなに長期にわたる避難になると思わなかった」と感想をのべ、「国は20ミリ以下であれば安全だというがこの線量では安心できない。子どもたちやその親を含めて今後どうなっていくのか、地域産業はどうなるのか、畜産農家も飼料が自給できるのか、米づくりも自給できるのかどうかなど、10人いれば10人みんな違う悩みと不安がある」と述べていますが、まったくそのとおりです。
葛尾村の「避難解除」の時期については、農地の除染も終わっていないため、2015年の2年先になると考えているとのこと。それをすすめるためには、除染についても、宅地から20m入ったところまでしか除染していないが、葛尾村は80%は森林という地域。森林の除染をやらないのでは帰れない人が多い。
農地の除染について、はじめ環境省は国直轄除染なので反転耕でやるとしていたようですが、ここは表土をはぐと下に石ころが出てくる地盤なので、客土する方法で実施しています。
村が、この方法を環境省に認めさせることができたのは、原発事故後から半年かけて村独自に500mメッシュで線量を測定してデータをもっていたからだそうです。しかも、測定は村が緊急雇用で3人雇って調査したというのですから、その発想に感心します。
またこの発想は、山からの引水などを利用している村民の飲料水の安全性の確保のために井戸を掘る費用を助成していますが、村はその費用を東電に賠償請求し認めさせています。このことは、私も2月県議会でも質問で紹介したばかりです。
村の人口が少なく、避難の決断も独自に判断し早めに避難しましたが、比較的村民がまとまって避難できていることは、市町村併をせず小さな自治体だからこそのメリットを十分生かしている対応していることが、あらためてうががえた懇談でした。