被災県民と市町村支援など、知事へ予算要望

 

 23日、被災県民と市町村を支援する予算にと知事へ要望書を提出しました。今年は県が「復興元年」と位置づけていますが、これに冷水を浴びせるような野田政権のTPP交渉参加や消費税増税と社会保障との一体改革に明確に反対を求めること。

 原発問題では、浪江町の採石場から高い放射線量が含まれた砕石が、県内の災害復旧問題についての対策をとること。

 国の除染モデル事業において、下請けの作業員が簡易トイレも設置されずに作業させている事例があることを指定し、労働者の作業安全を守るために国に是正を求めるよう要望。

 また、原発賠償金の仮払い金などを受け取った農家や自営業者などへ、国税庁が事業所得扱いとして課税するという方針について、撤回を国へ求めるよう要望。

  昨年12/16に、野田政権が「ステップ2」の完了をもって原発事故が収束したと宣言してからは、どうも賠償も除染も、できるだけ範囲を狭めようという意図がありありです。

 18才までの医療費無料化についても国はやらない方向で検討、などと報道があるが、これもとんでもないことです。

 だからこそ、どの問題をとっても今年は、「オール福島」で国と東電とたたかっていかねばならない歴史的な分かれ目に立っていることを強調。共に力を合わせていくことも述べて知事へ要望内容を説明しました。

党国会議員と被災3県の県議団会議

 19日は、仙台で党国会議員の笠井亮、大門みきし、高橋ちづ子議員と小池晃政策委員長、被災3県の県議団が一同に会する県議選後初の交流会議を開きました。国への要望や被災3県の取り組みなどについて交流しました。

 岩手県や宮城県は、復興に向けた取り組みが問題を抱えながらも各分野でいろいろ実施されていることがよくわかります。

 それと対象的なのが原発・放射被害を受けた福島県です。ようやく12月末に県の復興計画ができたばかりですし、原発放射能の影響は大きく、15万人を超え(うち県外避難者6万人余)の避難者が、流浪の民となって今後の生活設計が立てられないでいること。その違いをはっきりを感じました。

 前日訪問した山形県の避難者からの要望など広域避難の問題、県内の除染がなかなかすすまない実態や、原発損害賠償、健康支援対策の課題、県議選で私たちが公約に掲げ、知事も18才までの医療費無料化を国に要望していることも伝えました。

 子どもたちをめぐる学校現場の課題と教員不足問題、雇用や産業支援では農林水産業への放射線被害とその対策についても意見交換しました。

朝山形を出発する時は、こんなに雪がどっさりでしたが、仙山線で仙台に着くと全くなく、違いにびっくり

5人の県議団、山形の県外避難者と懇談

 18日、県議団5人そろって山形市へ行き、県外に避難している県民と懇談してきました。5人になって初めてです。

 山形県には、1月現在で福島県から約1万3,700人が避難しており、そのうち山形市には約5,700人、米沢市には約3,800人となっています。ほとんどは、民間のアパート住まいです。

 山形県では、吉村県知事はじめ、受け入れ先でも親身になって支援して頂いていることが良く分かりました。

 私たちは、山形市内にある「避難者交流支援センター」で懇談会を開きました。この支援センターの協力をいただき、当日は約20人が参加されました。

 南相馬市から職員が1人派遣されていますが、今後、福島市も派遣する予定のようです。

 小さいお子さんをもつママたちは、自主避難者母の会をつくり活動していて、昨年郡山市に提出した要望内容を説明し、私たちにも要望がよせられました。

 例えば、子どもたちの医療費は県内では窓口無料ですが、県外では元の自治体へ申請書が必要です。多い時は10枚にもなるそうで、その間医療費を立替えることになり負担が大変です。元の市町村と同じサービスを他県でも受けられるようにしてほしいとのこと。

 また、避難しているのは母子が多いが、幼稚園や保育所に入れない子どもたちがたくさんいること。地元の保育所は待機児童がいるくらいなので、避難者用の県外保育所や幼稚園を県独自で設置してほしいとも。

 たしかに、1年近くも幼稚園にも保育所にも入れないまま幼児期を過ごしているのは異常なことです。いずれも、県を超えた広域的な対応が求められていることがわかりました。

 土日は、県内の自宅に戻るが、往復の交通費が大変。そのため、山形ではなんとNPO団体が無料の往復バスを運行してくれていることがわかりました。これには驚きました。福島県からの支援が何もないとは、本当に恥ずかしく思いました。

 また、高速道路の無料化についても、4月以降もぜひ継続してほしいと他の方からも要望ありました。

 ところで、本県や市町村からの情報がほとんど届かない。福島県民として守っていますというメッセージがほしいと。

 さらに、避難者同士のネットワークをつくりたいが、個人情報保護法で誰がどこに避難しているのかわからず、互いに連絡をとりあうことがなかなか難しい。法の柔軟対応や何らかの手立てが求められます。

 住まいについても不安が寄せられ、今の借り上げ住宅の期間延長と、それ以上になれば今の借り上げ住宅を震災住宅扱いとして認めることができないかなど。

 警戒区域から避難している高齢者を抱える親子は、浜通りの自宅には戻れないので、息子の仕事を他県でみつけ転居したいが、再度借り上げ住宅を他県でも借りられるか。90才代の親も、他県の施設へ入所移動が可能なのかどうかと質問もよせられました。 

 最後に、私たちはよせられた多くの質問や要望を国や県へつなげていくことを約策。懇談会をもったことを、率直に喜んでいただき少しほっとしました。

 来週23~24日には、埼玉県加須市に避難している旧騎西高校へ行き、双葉町役場と避難者を訪問する予定です。

二本松のマンションの基礎部分から高いセシウムが検出

 政調会の2日目の16日、15日に二本松の三保市長が行なった記者会見で明らかにされましたが、昨年震災後に新築された二本松市内のマンションの基礎部分から高いセシウムが発見された問題・・・。

 NHKなどマスコミで報道されたのでご存知の方も多いと思いますが、その後の調査でマンションの基礎材に使われた砕石は、線量が高い警戒区域の浪江町津島にある石材会社のものでした。

 二本松市では通学路の舗装工事にも使用していましたし、きょう20日は福島市のマンションでも見つかっています。

 それにしても、国の「スピーディ」の情報がきちんの情報が、浪江町や福島県民にきちんと報道されていればこんな事態も防げたはず!!

 ここで産出された砕石は、ちょうど3・11以降の第一原発が爆発したあとの一番線量が高かった1ヶ月間の間に産出されたものでした。放射能が高い地域になっていたことも知らずに操業していたわけで、この点でも国と東電の責任は重大です。

 この日の政調会では、私たちもこの問題の原因や他に同じようなことがないかどうかを質したところです。県も調査をすると回答し、きょうは国の機関とともに砕石場の現場に同行したようです。

 問題の徹底解明とマンション住民の転居などについても支援していべきです。

2月県議会に向けた政調会・・県が母乳の無料検査を表明

 2月県議会が来月15日に開会予定ですが、それに向けた新年度予算に計上する各部の事業内容などについて説明を求める政調会が13日にあり、16日も開かれます。

13日は、総務部、生活環境部、商工労働部、企業局、病院局の説明を受けました。この中で、新年度予算規模は、各部からの要求ベースで1兆4千億円となることが明らかにされました。例年は9,000億円程度です。

 新年度予算には、私たち県議団が、昨年12月県議会に向けた知事申し入れや本会議の質問で取り上げた「母乳」検査費用の無料化が盛り込まれることになったといういう朗報も地元紙を通じて届いていますが、その一方で、企業誘致補助金の上限を現在の35億円から一気に200億円へ引き上げることも明らかになりました。

【私は、生活環境部の説明に原発事故の汚染水処理などにトラブルが続いているのに、一言も説明がなかったことについて質しました】

県は、「企業誘致」という従来の呼び込み方式での産業基盤づくりをさらに拡充し、補助金上限の大幅引き上げ、さらに工業団地も新規に造成していくとしています。

 雇用拡大にもつながるといいますが、もっと県内にある中小企業を核とした地域循環型の復興・再生に向けた産業構造に今度こそ転換すべきです。

ところで、その雇用状況については、雇用保険がまもなく切れる2万4,000人いること、求人数は求職者数よりも1万人分不足していることが明らかになりました。

また、今春卒業予定の高校生の就職未内定者は884人、内定率は84.2%(昨年12月末調査)と昨年同時期77.5%よりもよいとされたものの、県内に残るのが減少し県外への就職が多くなっているのが特徴です。

さらに、避難状況については、本県の避難者15万人のうち、県外へ6万1,659人。県外避難者は、昨年12月時点で公営住宅・仮設住宅に4万8,116人、旅館・ホテルに263人、公民館・学校などの避難所に654人、それ以外は親戚・知人宅となっていること。

県内避難者は、今月10日時点で仮設住宅に約3万1千人、民間借り上げ住宅に5万9千人となっていることが明らかにされました。今後も、多くの支援が必要です。

賠償金の支払い状況は、本払い請求1万2千件に対し、約5千件(42%)程度。仮払いは、個人には遅れていて4万3千件の請求に対し1万1,450件、145億円でした。

ところで、農業や事業者の賠償金に対して、国税調が賠償金を収入とみなして一時所得扱いで課税する方針のようですが、とんでもないことです。賠償金は、生活・営業への補償金という性格のはず。課税すべきでないと思います。JAや業者団体からも課税はやめてほしいとの要望が上がっています。

 

郡山市に屋内子どもの遊び場オープン

 12/23、郡山市内の駅東部にある横塚地区に、空き店舗を利用した屋内の子どもの遊び場「郡山市元気な遊びのひろば~ペップ・キッズこおりやま」がオープンしました。子どもたちへの大きなクリスマスプレゼントです。

 原発事故から9ヵ月がたっても、郡山市内の子どもたちも屋外での活動時間が制限されています。お孫さんを連れてここを利用した方が、1時間半たっぷり体を使って遊んだせいか、この日の夜お孫さんが久しぶりにぐっすり眠ったとの感想を共通して寄せています。

 郡山市内にある小児科の菊池医院副院長の菊池信太郎医師は、震災・原発事故以後の子どもたちに心身面での変化が表われていることから、屋内に砂場など設け思い切って体を使って遊べる施設を発案。

 これに民間企業が賛同し、建物と設備を(株)ヨークベニマルが提供し改修。それを郡山市が無償で借り受け運営します。鉄骨平屋建ての建物面積は約2,400㎡、駐車場は120台分あります。

 1時間30分ずつ利用者完全入れ替え制です。利用料は無料ですが、キッチン調理体験は材料費300円かかります。ただし、入場整理券が必要で、事前に市のニコニコこども館へ申し込んで下さい。10:00am~6:00pmまで、第3水曜日とその翌日、年末年始の12/29~1/3(今年度は12/31と1/1のみ休館)除いて毎日オープンです。

    【市保育士さんたちも受付などで大勢の親子の案内役】

         【大好評の砂場。ちゃんと水洗場も用意されているので親子で安心です】

 砂場、アスレチック&トレーニングコース、エアトラック、サーキット、ボールプールなどの動のスペースと、おもちゃや用具をおいた静のスペース、ベビーゾーンもあります。

  下の写真は子どもキッチン。かわいい色合いであふれた調理スペース。    【この日はクリスマスが近いことからチョコスコーンのケーキづくり】  

 

 私も、緑ヶ丘仮設住宅支援の餅つきを終えて近くを通ったので、中を見学させてもらいました。オープン日だったせいか、たくさんの親子でにぎわっていました。ちょうど、入れ替えの時間で、この間保育士たちが清掃します。若い男性保育士も市の臨時雇用として採用されたそうですが、とってもいきいきと子どもたちのために奮闘していました。

市の担当者によれば、県の子ども安心基金からも補助が出ているそうですが、今後の運営費にも県の補助をと要望されました。

 私は12/15の代表質問で、郡山の事例をあげて県内各地に屋内の遊び場をつくり、原発事故から子どもたちを守り心身の発達を支援すべきと提案。県も今後検討をすると答弁しました。

ふくしまっ子体験活動支援事業の予算拡充を求め、知事と教育長へ緊急申し入れ

           【県教育庁へも申し入れる県議団】

 27日、本会議終了後、知事と教育長へ緊急申し入れを行ないました。控室に閉会後の挨拶にこられた知事と教育長にも直接お渡しました。

 これは、郡山市内の小学校で、来年1月下旬に予定していたスキー教室が、県の基金事業の予算が足りないことを理由に、昨日県から補助は出せないとの連絡があり、現場では大変困っているとの相談が私に寄せられたことから、緊急に県議団で申し入れたものです。

 小学校は終業式を迎えますが、保護者への対応に現場では頭を悩ませているようす。この事業は、国の予算を使って放射能から子どもたちを守るため、健康調査などを含めた基金事業の1つです。

           【鈴木子育て担当理事にも申し入れ】

 「ふくしまっ子体験活動支援事業」として、今年の夏休みに比較的線量が低い地域で子どもたちをのびのびと屋外で遊ばせようとする目的で基金事業の予算で始まり、9月いっぱいでいったん打ち切ったものの要望があいついぎ継続へ。

 それが10月から学校の体験授業にも使える事業が追加されました。しかし、県は予算の関係からか11月末に学校へ意向調査をしたようです。その調査で「計画がない」と回答した学校には補助しない方針とし、昨日通知したとのこと。

 相談を受けた小学校は、その時点ではまだ計画が明確になっていなかったため「なし」と回答したようです。しかし、その後計画は具体化され、保護者にも周知したところ大変喜ばれ、子どもたちも楽しみにしていたとのこと。

 教育庁の担当部によれば、予算は当初予定よりも増やしたが、大変好評のためすでに予算が足りないとのこと。今回のような要望は他の学校からもあるようです。

 そもそも約780億円程度の基金事業そのもの総額が足りないと思います。 国に増額を求めると渋い回答のようですが、そもそも原発事故をおこした責任は国にあるのです。こんな国・県の対応では、ますます子どもの県外避難者は増えるばかりです。

 

12月県議会閉会日~阿部県議が職員給与引き下げ議案に反対討論 / 2つの特別委員会が設置 

27日、12月県議会最終本会が開かれ、知事提出議案、議長提出議案、議員提案の意見書等についての採決を行ない、12/9からの県議会がきょう閉会しました。

採決に先立ち、知事提出議案の職員給与引き下げと市町村教職員給与引き下げ、県の建設事業に対する市町村負担を求める議案など5件に反対し、阿部裕美子県議が反対討論に立ちました。

【職員給与関係議案の採決。共産党県議団は引き下げに反対。未来ネットは引き下げ幅が足りないと反対】

 県人事委員会の勧告は、国の人事院勧告をそのままあてはめ、月例給を平均△0.23%を引き下げようとするものです。一時金は、昨年同様3.9ヶ月据え置くものの、06年に始まった給与構造改革に伴う激変緩和も廃止しようとするものです。 すでに、この10年間で2割もカットされています。職員定数も行財政改革の名で大幅に減らされています。このような状態の中で今回の大震災・原発事故を受けたのです。

被災県となった本県の職員はこの大震災と原発事故以降、昼夜を分かたず県内各地で活動を続けてきたのです。県職員の給与引き下げは、市町村職員にも連動し、また民間給与にもはねかえります。それが地域全体の景気にも影響を及ぼすことになります。

一方、ふくしま未来ネットワーク会派の今回みんなの党推薦を受けて当選した前民主党県議が「もっと引き下げをすべき」という立場で反対討論を行ないました。私たちとは180度違う立場で議案に反対をしたわけです。

本会議では、2つの特別委員会が設置され採択されました。「子育て・健康・医療対策」特別委員会には長谷部、阿部県議。「産業・雇用・県土再生対策」特別委員会には宮川県議と私が委員になりました。

坪井医師の「チェルノブイリに学ぶ」講演会に120人

  18日、郡山復興共同センター主催の桑野協立病院長の坪井医師の講演会が開かれましたが、会場は人があふれるほど120人が参加しました。

 坪井院長は、このほど福島大学の清水修二副学長らと共にチェルノブイリを視察。原発事故と郡山で生きるという決意をこめて話されました。

                             【チェルノブイリの汚染マップ】

 チェルノブイリからの提言~ベルラド研究所(民間、1990年設立)で出会った物理学者の話を聞いて、日本の放射線医学や技術をもってすれば、被ばくをかなり低減できることに確信をもったとの感想を述べています。

 ただ、それにはスピードをあげる必要がある。放射能汚染のしきい値はなく、特に子どもへの影響は大きいので、できるだけ内部被ばくを低減するよう、食品の摂取にも気をつけるなどの対応が求められること。

 体の汚染度の検査体制と食品の汚染度の検査体制を充実させる。教育体制の充実も必要。規制値の引き下げも必要だいわれましたがいずれも同感です。

 

「ステップ2」完了をもって原発事故収束とする宣言の撤回を求めるよう知事に要請

 野田首相は、12/16に原発第一原発の1~3号機の工程表の「ステップ2」が完了したと宣言し、事故が収束したかのような印象を与えようとしているのはとんでもないことです。

 原子炉内の状況は誰もわからず、汚染水処理システムから漏水もたびたび起きています。再臨界の可能性も否定できず、事故が拡大する危険性もはらんでいます。こうした実態をみれば、事故収束とは程遠いものではないでしょうか。

 この宣言は、事故を小さくみせて早く収束させ、国と東電の責任をも小さくしようという意図がみえかくれします。

 知事も18日に枝野経産大臣ら岸原発担当大臣ら3人が来県した際、さすがに不快感をあらわにし、原発事故は収束していないと発言したのは当然です。

 20日、こうしたことをふまえ、知事あてに、①この宣言の撤回を国に求めること。②国と東電の責任で、福島原発がどうなっているのか全体像を明らかにし、必要な対策をとるよう国へ求めること。この2点を要請しました。(要請文は、県議団のホームページに掲載)

 内堀副知事が私たちの要請に応じました。県としても国と東電が事故収束の全責任を最後まで果すよう、引き続きとりくむよう強く要請しました。内堀副知事は、県の考えも全く同じだと述べています。