台風15号、郡山市内の一部でボートでの避難など被害甚大

 台風15号は、日本列島各地で豪雨災害をもらし、甚大な被害がでました。

                    【23日付け福島民友1面】

    【地元紙に掲載された同じ場所です。道路の両側には車がびっしりと】

 22日に郡山を通過した台風による大雨で、福島県を縦断している阿武隈川が危険水域に達しました。1986年の8・5水害の時は、この阿武隈川が決壊し郡山も大災害となりました。今回は決壊こそしませんでしたが、内水面被害が甚大です。

 阿武隈川のすぐ西側の一帯と、逢瀬川が一部決壊したことから郡山駅周辺と福島交通バスプールが被害を受け、2日間市内のバス運行が休止する事態になっています。在来線はすでに運休中です。

 きょうは、阿武隈川沿いの床上浸水地区一帯を訪問し、ようすを尋ねてきました。きのうまでは水が家屋の1階部分まで浸かり、ボートで避難したという被害地区です。   私の行きつけの美容室に伺うと、駐車場には泥にまみれた家財道具が出され、泥を水で流している最中でした。その周辺でもきょうは、天気が良くお彼岸でもあるため、みんな家族やお手伝いに来た人たちで泥出しをしていました。

 その時のようすをいろいろ伺う中で、共通して出されたのが、市が内水面被害を軽減するためのポンプ場が故障して運転していなかったこと。それなのに、市から明確な避難指示が届いていなかったことです。そういう意味では「人災」ではないかとの声があがっています。

 幸い犠牲者はなかったようですが゙、ポンプ場があるから8・5水害のようにならないだろうと安心して寝てしまったと言う人もたくさんいました。夜中の3時すぎに、自衛隊のボートで避難したそうです。           【今回故障して稼動しなかったという市の古川ポンプ場】

 地震で家屋が被害を受けていた方も少なくありませんから二重の被害です。地震でこわれた家具を買い直したばかりなのに、全部ダメになったと。ここでは、息子夫婦に赤ちゃんが生まれて退院してきたばかりだったそうです。

 また、アパート住まいで1階に住んでいた若い夫婦は、大家さんから水害はポンプ場があるから大丈夫と聞いていたのに・・・。すべて浸水しになりました。この方の実家は、原発事故で避難している 大熊町でした。           【車庫の屋根近くまでどっぷり泥水につかり、多くの車もダメに】

 いずれにしても、市の対応のあり方と今後の被災者救援の対策が必要です。来週始めには、高橋ちづ子衆院議員も調査に入る予定です。

 【党後援会事務所のわかば会の建物も一部床上浸水。高橋市議などが青年たちときれいに掃除。床下に風を通しています】

 

来年度予算編成向けた各種団体からの要望聴取会

 21~22日は、県議会各会派による各種団体からの要望聴取会が県庁内で行なわれました。     【人工透析などの患者団体、県腎協のみなさん】

 毎年今頃の時期に次年度の予算編成に向けた要望をお聴きするものですが、今年は東日本大震災と原発事故があったことから、これに関連する要望事項がたくさんよせられました。

 特に、県腎協や難病連、視覚・聴覚障がい者団体、共同作業所などからは、今度の災害・原発事故について、情報隠しなどもあって避難する理由が分からず大変な不安の中にいたことがわかりました。

 津波で避難を呼びかけられてもどこへ逃げてよいのかわからない。原発事故に至っては、なぜ避難しなければならないのかの理由を誰にも聞けず、聞いても健常者も情報が何もないパニック状態だったので、本当に不安で心細かったそうです。 

  その一方で、津波も原発の爆発も知らず、避難指示も出たのを知らずに家の中にいた人もあったそうです。また、避難所へ行っても迷惑をかけるからと車の中にいたり、転々とせざるをなかったと聞いて胸がつまりました。

 なお、障がい者を支援するJDFというボランティア組織があり、全国からも支援に来てくれたそうです。災害弱者に対する対応の見直しが、あらためて行政にも問われています。   

 ところで、聴覚障がい者協会から以前から要望され、県議会ではすでに98年に全会一致で採択されているのに、県が実行してこなかった「聴覚がい害情報提供施設」ですが、災害時にも大変有効であり、今度こそ実現してほしいと強く要望されました。これこそ、知事の決断あるのみです。