震災・原発事故から100日、なのに経産大臣が他原発の再稼動を指示                                                                                      知事、「子どもを放射能から守るあらゆる方策をとる」と記者会見

 18日、きょうで3・11の震災発生から100日たちました。震災・津波被害は浜通り地域はもちろん、中通り地域の県南地方(郡山から白河の間)も地震被害がひどく、資材不足もあって今もほとんど進んでいません。

 一方、原発事故の収束もなかなか方向がみえず、それどころか汚染水もあふれそうになっていて予断を許しません。ところが本日、こともあろうに海江田経産大臣は、他の原発の再稼動を指示しました。これには耳を疑いました。

 ヨーロッパでは、福島原発事故を受けて原発から撤退する国が続々と出ており、ドイツ、スイスに続いてイタリアも表明。ドイツのメルケル首相などは、原発推進だったのを福島原発事故をみて方針を転換し、中長期的目標をたてて再生可能自然エネルギーに転換し、その再生可能エネルギーで世界の先進国になる、とまで明言。

 ひるがえってわが国の民主党政権は、ここに至っても原発推進を変えない。本県出身の玄葉大臣は、政権中枢にいて原発をすすめようとさえしています。県民からみれば全く理解できませんが、県民や国民の命よりも財界優先というわけでしょうか。「原発マネー」という言葉が浮かんできます。

 ところで、本県の佐藤雄平知事は、「子どもたちを放射能汚染から守るあらゆる方策を取っていく」ときょうの記者会見で明らかにしました。

 放射線量を測るガラスバッチを子どもたち全員に配布する。ホールボディカウンターを避難された区域の子どもたちを優先して受けさせる(県民全体へはも8月頃から実施の方向)。学校に24時間常備観測できる放射線量機器を設置する。夏休みのサマースクールの実施、除染などです。大歓迎です。ようやく知事が決断して動きはじめました。

 これらにかかる費用は、500億円ほど。あす知事が菅首相に直接会って費用負担を要請するとのこと。来週から始まる6月県議会にも緊急補正予算を計上する方針です。

 わが県議団の3人の県議も16日にようやく放射線量計を入手できました。バッチ形式です。常時携帯していますので、きのうは市内で訪問した先で一緒に測ってみました。写真は、わが家の2階の部屋の中の線量です。これでも市内中心部よりも少ないのです。

県有識者復興ビジョン検討委が「脱原発」を明記

 15日に開かれた有識者による第5回福島県復興ビジョン検討委員会で、骨子(案)の修正がなされ、復興ビジョンの基本理念に『脱原発』の姿勢を明確に打ち出しましました。大変歓迎すべきことです。

 福島民友の記者から感想を求められたので、「脱原発を基本にすえることは、県民の気持ちにぴったりかみ合う。国は原発政策を堅持する姿勢を示しているが、県のビジョンは原発事故被災地から世界への強いメッセージになると思う」とコメントしました。

 この検討委員会の骨子案については、22日の県議会の特別員会でも審議されます。そして、6月県議会での審議や県民からの意見を聞くパブコメをしたのち、来月末県へ提言する予定としていますが、このスケジュールでは短すぎると思うのですが。