昨年度予算の決算審査特別委員会の審査が、本庁審査は10/23~25、今月5~7日は出先審査が行なわれました。3班に分かれて、私たち2班は会津地方へ。
南会津から会津若松市、喜多方で審査しました。会津地方は大変面積が広く、森林が7割を占め、人口は少なく高齢化率は県内一で、30数%の町村が多くあります。
そうした中で、特に大震災前から深刻だった医療・福祉分野の遅れが、大震災以降一層ひどくなっていると感じました。
まず、医療面では、来年度に県立会津総合病院と喜多方病院を統合し、会津医療センターが県立医大の出先として整備されます。この2つの病院は、医師不足と病院の老朽化がひどく、経営も赤字ですが、これの大きな要因は小泉構造改革による診療報酬の引き下げなどの医療改悪です。
患者、特に高齢者は、内科と整形外科など2つ以上の病気があるので、一ヵ所で済む総合病院が便利です。ところが、県立喜多方病院は整形外科の医師がいなく、週1回医大から派遣されています。そのため手術ができず、若松市内の民間病院で手術し、術後の通院はまた喜多方病院へ。公立と民間の役割が逆転しています。
しかも、河東の会津医療センターまでは遠すぎます。喜多方市民にとって総合病院は県立だけというのに、県立病院がなくなれば3つの民間医療機関しかなくなるとのこと。
一方、県立南会津病院も産科・小児科がないため、会津若松市の病院でお産をしているとのこと。採算が合わない過疎地域こそ公立が担うべきです。他の県議からも疑問の声がでました。
自民党政権のもとで県もすすめてきた行財政改革路線は、結局県民に身近な医療・福祉・教育分野が切りすてられました。私たちは、この路線を批判してきましたが、大震災によっていっそう顕わになったといえます。
ところで、県に1ヵ所しかない若松乳児院も視察しました。家庭に虐待などの問題があり、養育が困難な0歳~2歳までの乳児を預かる乳児院は、県内に一つは設置しなければならないと国の法律で定められています。
避難している母親が、仮設住宅では育てられないからと預けられている乳児もおり、現在12名を預かっていました。
老朽化しているうえ、耐震診断でCランクと評価され、今後耐震化工事を行なう予定と説明。聞けば昨年の大地震で壁の亀裂が入り修繕はしたものの、雨漏りがしていること。そもそも建物が狭く、物置も不足していて備品が収まりきれない状況でした。
この乳児院は、耐震工事でなく「建て替えて新築にすべき】と、各議員の意見が一致しました。
新潟・会津豪雨災害に見舞われたこともあり、土木と農林部には災害復旧の予算が一年間では飲み込めず、翌年度へ繰り越しするほど国の補助がでています。
その一方で、医療・福祉・教育分野は、あいかわらずハード・ソフト両面とも少ない予算の枠内でやり繰りを強いられ、がまんさせられているという実態です。大震災は、この構図をいっそう鮮明にしました。