建設費は、維持管理費と解体費用を含めて371億5,200万円です。
12日、県議団で、今年4月に試運転を始めたばかりの葛尾村仮設の廃棄物処理施設を視察してきました。
全村民が避難している葛尾村役場に集合し、環境省の福島環境再生事務所の案内で、車が1台通れるくらいの狭い林道を車で上っていくと、突然視界が開け、フレコンバッグに黒いシートをかけた廃棄物の山が見えてきます。それがどこまでも続き、用地面積は10万㎡です。
遠くに焼却施設のプラントがみえてきました。かなりの大きさです。同様の国直轄の対策地域内廃棄物処理の仮設焼却施設は11カ所建設予定で、すでに、南相馬市と川内村では焼却処理中です。プラントの大きさは中規模とのこと。
ここは、葛尾村野行行政区地藏沢地内にあり、今年4月に試運転を始めたばかり。1日200トンの処理能力で24時間連続運転。廃棄物を粉砕しストーカ炉でA重油を使い燃焼します。
処理量は、全体で12万9,000トンを予定し、対象物は葛尾村内で発生する廃棄物(①被災家屋の解体廃棄物、②廃棄せざるを得なくなった家財類(片付けごみ)、③除染廃棄物)を焼却により減容化するものです。
環境省が発注し、実際の建設・維持管理は、奥村・西松・大豊特定業務共同企業体です。従業員数は50~60人、3交代制。
業務期間は、2014年~2018年までの5年間。建設と解体にそれぞれに1年ずつかかり、焼却そのものの稼働は2年間程度としていますが、果たしてこの期間内で終わるかどうかは疑問です。建設費は、維持管理費と解体費用を含めて371億5,200万円と説明。搬入路となる林道を拡幅予定ですが、この予算は含まれていません。
仮設焼却施設の問題1つとってみても、原発事故被害対策にかかるコストは大変大きいといえます。
焼却施設内部の視察は、放射線管理区域なのでタイベックスやマスク、ヘルメットを装着して入ります。この姿で従業員は作業しているのです。