原乳出荷停止の酪農家の苦悩、障害者授産施設が地震被災

 5日、3人の市議団とともに石筵地区の酪農家の橋本整一さんを訪ね、原発放射能の影響で福島県全部の原乳が、出荷停止となった影響について聞きました。

 「えさを少なくしていたが、牛が腹をすかして牛舎の入り口に立つと一斉に立ち上がって俺を見るので、少し配合飼料を増やしてやったらおとなしくなった。

 毎日搾った牛乳を捨てているのは本当に腹ただしい。仲間と東京電力への抗議行動をやろうと話あっている。                  

川俣で基準値を超えた原因は、えさでなく水が原因だと思う。ここは、井戸水を使っているが、われわれには何の落ち度もない」と怒りは頂点に。原発さえなければ・・・。本当に恨めしい心情がひしひしと伝わってきました。

 【ホールクロップサイレージ。発酵している干草は、すっぱいにおいが。牛が喜ぶえさです】

    【被災した「あだたら育成園」を案内していただいた次長の渡辺さん】

 夕方は、震災で地盤沈下したという大玉村にある障がい者授産施設「あだたら育成園」の調査に行ってきました。    

   入り口ドアの前は大きく陥没し、職員がいる事務所は「危険」のレッドカードが張られています。重度障がい児が入所している施設も、地盤が下がり続けているため床も入り口の西側に向かって下がっています。特に、厨房と食堂の一部の壁がはがれ落ちたり、床が損傷したり梁にも隙間が出てしまっているなど、そのゆがみによる影響があちこちにみえます。

                         この施設は、山を削り盛り土で造成した地盤に建っています。敷地内の少し高い場所にある別の入所施設はなんともないのですが。

 震災直後は、体育館へ避難させていたのですが、場所と環境が変わった知的障がい児は3日間くらい非常食を出してもほとんど口にしなかったそうです。

 そこで、危険を承知の上で、食事の時だけ職員みんなで移動させ、食堂で食事をとるようにしたらようやく食べてくれるようになったと言います。

 実は、県の補助で新年度に耐震化工事とスプリンクラーが設置される予定だった施設です。でも、震災で地盤そのものがゆるくなった以上、この場所への再建は無理です。

 それにしても、職員に一度現場を見に来てほしい、今後の相談もしたいと依頼しているのに、県の出先からも未だに来てもらっていないとのこと。さっそく担当部へ連絡をとり、まず電話で実情を聞くようお願いしました。

郡山市長へ党の義援金目録を届けて

  5日、市の対策本部を訪ね、郡山原市長へ高橋市議(党郡山安達地区委員長)、橋本市議、岩崎市議とともに、党中央からの義援金100万円の目録を手渡しました。

 栗山副市長が、対策本部こにいた幹部30人に「みなさん、共産党さんから多額の義援金をいただきました!」と紹介すると、会場からきな拍手がおきました。

 原市長は、お礼を述べながら、郡山から県や国への要望と実情を尋ねるときょう段階で市内の避難者は約500人と減少してきたが、浜通りからの避難者は3,700人とのこと。

 学校の再開などにともなって、避難所も市体育館の剣道や柔道場なども開放することにし、民間住宅の提供を含めてできる協力はしていくとの考えを示してくれました。

 すでに、県には1,000万円、津波・震災・原発被災地の浜通りの市町村には500万円を届けていますが、これは第2次分です。郡山市は庁舎被害を受けていたり、他の被災者の避難所として受け入れているなどから、全国から頂いた義援金の一部をお届けしました。

 

福島労働局へ申し入れ

 4日、党県災害・原発事故対策本部は県労連とともに、福島労働局への申し入れを行ないました。

 要望は3項目で、①雇用調整助成j金の柔軟な活用、②雇用保険の失業給付については、30キロ圏外でも特例として認めること、③避難所に出張所をおいて、福祉の窓口とのワンストップの相談ができる体制をとること。特に大規模な避難所には、常駐することを求めました。

 佐藤俊彦福島労働局総務部長は、震災後いち早く雇用の巡回相談を行なってきたと述べ、震災直後は生活相談や不安など、労働相談以外のさまざまな相談が多かったそうですが、それらにも対応してきたといいます。

 最近は少し気持ちが落ち着いてきたようで、仕事の再開見通しについての相談や短期や出稼ぎ求人情報が゙ほしいなどに変化してきたといいます。

私たちからは、せめて1,000人以上いる郡山市のビッグパレットと福島市のあづま総合体育館の避難所には、常駐をと再度求めると、これについては検討すると前向きな回答をいただきました。

 それにしても労働局のマンパワーが不足しているようです。国は15人~20人くらい職員派遣をするようですが、佐藤部長もいうように原発震災による他県とは違う困難さがあると、国にも強く求めていると述べました。