本宮市長、二本松市長と原発事故・震災で懇談                              新婦人が放射能汚染などで県教委へ要望

 21日、原発事故と震災被害について、本宮市の高松市長と二本松市の三保市長とそれぞれ市議団とともに懇談しました。

高松市長は、学校や道路に大きな被害が出たところがあること。その被害査定と提出書類は、もっと簡便にしてほしいとの要望がありました。

学校は、新年度に耐震化工事を予定していた学校が地震被害を受けたので改築工事をするが、当面仮校舎を建設してしのぐとのこと。原発事故にかかわる被害では、農産物などに大きな影響がでていること。県内一丸となって国や東電に迫っていくことは大事なことだと述べました。

また、浜通りからの避難者受け入れでは、年度末で廃止予定だった雇用促進住宅を活用しようと、国にかけあい60戸を確保。すでに予約でいっぱいとのこと。本宮市の対応がすばらしいのは、家財用具もちゃわんや箸まで用意していることです。

  二本松市の三保市長は、臨時市議会の忙しい合間をぬって懇談していただきました。原発事故は、明らかに「人災」であり、第一義的責任は東電にあるときっぱり。農産物、原乳出荷、観光面などにも風評被害を含めて大きな被害を被っている。今後も農業団体や関係団体、市長会でも国へ働きかけていくとのこと。

 ところで、学校敷地内での放射能が3.8マイクロシーベルトを超えた場合は、屋外活動を制限が文部科学省が示したことから、保護者からは強い不安の声が起きています。本県では保育所から高校まで13校あったため、県教委は独自に3.4マイクロシーベルト以上について再調査することを発表しました。

21日、新婦人県本部のみなさんが県教委に対し、学校の震災被害の復旧工事と耐震化、毎日測り最新情報の公表、全教室へのクーラー設置、心のケア対策と教員増、8月1日での人事異動への対応についてなど、子どもに配慮した県の対応を求め要望書を提出しました。

 ガイガーカウンターをあてて校舎内、校庭、花壇を測定すると、校舎内と外、地面からの高さで放射能の数値が大きく違うことがよくわかります。花壇は3マイクロシーベルトでした。

県は、文科省の測定基準に合わせて地上1cmから50cmに変更したようですが、保育所や幼稚園児は砂遊びなどするため、より地面に近いところでの測定値が必要ではないでしょうか。

3団体、東電副社長と会い原発事故で緊急申し入れ                                     東電副社長、「30km圏にかかわらず補償するのは常識と思う」と。                                                                                                                                                                                                                                                                                                 県災害対策本部へ第14次申し入れ                                 

 20日、党県委員会、県議団、原発県連の3団体は、今回の東京電力福島原発の事故発生と危険性について、かねてより直接申し入れて指摘してきましたが、今回現実のこととなったことから東電福島営業所を訪問し、東電清水社長あてに緊急申し入れをしました。

東電側は、皷(つづみ)紀男副社長ら3人が応対しました。久保田党県委員長が3団体を代表し申し入れの趣旨を説明。

今回の原発事故は「人災」と認めること。清水社長が会見や国会答弁で繰り返している「想定外」という言い方は、菅首相や海江田通産大臣でも言わないと指摘。

また、被害・損害については、原発から30km圏内という距離や、避難しているか否か、放射線の数値など画一的な「線引き」を行わず、原発に起因するあらゆる被害・損害は、実態に基づいて補償するよう求めました。仮払い金についてもただちに支払い、2次、3次も早期に行うこと、30km圏外についても対象とすること。

原発事故の一刻も早い収束を図ることはもちろん、第一、第二の廃炉を明確にすること。今後長期にわたる(少なくとも30年間)県民と原発労働者の健康に責任をもつことなどを求めました。(全文は、県議団のホームページを参照)

応対した鼓副社長は、まず今回の事故を引き起こしたことを謝罪し、個人的意見だがと前置きしつつ「30km圏にかかわらず補償するのは常識と思う」と述べました。個人的な考えとはいえ、これは今後につながる重要な発言です。

私は、東電の事故はまさに「人災」であること。07年の私たちの申し入れを受け、津波対策や耐震対策をとっていれば防げた事故ではないか、爆発後の初期対応の遅れと合わせれば二重の「人災」と指摘。

加えて、放出された放射能核種の全ての情報公開、原発労働者の被曝事故防止、社長本人による避難者への直接謝罪をすることを求めました。

そして、謝罪は立ったままという失礼な態度ではなく、住民の目線と同じ高さで行なうこと、役場職員の疲れはピークに達していることから、避難所に東電の社員を動員し救援活動に当たるよう求めました。

原発県連の早川代表は、楢葉町で原発の安全性を求め39年間活動し、スリーマイル島もチェルノブイリ視察してきたが、3番目は日本での発生になると警告し、東電へ対策を求め続けてきたのに、それが実行されず現実のものになってしまった・・・と。副社長は、メモと取りながらじっと耳を傾け謝罪しました。

お坊さんでもある早川さんは、障害者とともにいわき市に避難生活を余儀なくされていますが、「自分で訴えることもできない障がい者に代わって訴える」とその苦しい心情を述べ、私も涙がこぼれました。

全国原住連筆頭代表の伊東達也さんは、今後も私たちとの交渉窓口を持つことを副社長に確約させました。また、05年と07年の私たちの申し入れ文書を鼓副社長はみていないことが判明し、市民の声や要望書が東電上層部まで届いていない体質が問題だと指摘する場面も。

このあと、自治会館の県災害対策本部へ出向き、学校の放射能対策などに関する第14次申し入れを行い、また、3団体で東電副社長との会談内容についての記者会見も行いました。