今議会にTPPに反対する意見書は、JA中央会(自民党が紹介議員)と、農民連(共産党が紹介議員)からの2本提出されました。しかし、意見書を扱う政務調査審議会(5人以上の交渉会派で構成=現在自民、県民連合の2会派だけ)でまとまらず、2本とも「継続扱い」となったのです。
ところが、政審で一致しないものは意見書にあげないなどという議会内の取り決めを、自民党が無視したといって県民連合が反発。しかし、この政審を私たちは以前から撤廃せよと主張しています。ここにきて矛盾が噴き出しているのは、選挙目前だからです。
新婦人提出の「福島第一、第二すべての廃炉を求める請願」の対応もからんで、議運も開けないまま2会派がすったもんだで3時間半も空転。結局、通常午後1時開会予定が、夕方4時半に開会となったのです。
【TPP反対決議案の審議する前に、退席する県民連合(民主・社民)と無所属議員ら】
【自民党がTPP反対の提案理由を説明。空白議席は民主・社民が退席したため】
【「本県の復興とTPPは両立しない、参加中止を」と決議案に賛成討論する私】
「TPP反対の決議案」の提案理由を自民党が行ない、 私が賛成討論をするというめずらしい光景となりました。県民連合の民主・社民と無所属系は、議会ルールを無視したなどの理由で退席。決議案は自民、公明、共産が賛成し採択となりました。
【TPP交渉参加に反対する決議案を採択】
さて、野田民主党内閣は、国民的な議論も交渉内容などの情報開示もせずに、11月上旬に開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議で、TPPへの参加を決めようとしています。
TPP(環太平洋連携協定)は、農産物を含めすべての物品の関税を撤廃しゼロにするものです。参加すれば、日本の食料と農業は壊滅的打撃を受けます。
さらに、農業と食料だけでなく、くらしと「非関税障壁」撤廃の名の下に、食の安全、医療、金融、保険、官公需・公共事業の発注、労働など、国民生活のあらゆる分野での「規制緩和」をねらっています。TPPは、「国のかたち」を大きく変えてしまうものです。
大震災・原発事故で大きな被害を受けた本県にとって事態は深刻です。基幹産業である農林水産業への大打撃となり、被災地の生活と生業再建の基盤を壊し、復興の希望さえ奪ってしまうものです。
TPP交渉の中心にいるのはアメリカです。アメリカ型が「国際ルール」などとおしつけようとしています。国内では財界が「国際競争力」「規制緩和」などの名目で雇用を壊し、地方を切り捨て、国民生活をずたずたにした構造改革路線を推進しています。
今とるべき道は、国民生活応援・内需主導への政治に切りかえ、日本経済の健全な成長とつりあいのとれた発展をはかることです。とりわけ、TPPよりも大震災・原発事故の被災地の復興こそ最優先してほしいものです。
TPP反対の声は大きく広がり、昨年10月以降、地方議会でも意見書採択は、慎重・反対を含め現在までに43道府県議会から提出されています。